いすどん、あどする、ふーす
誤読は創造だ。
松田ぱこむ著『コンピューター誤読辞典』(工学社、2003年11月)は、まじめなIT用語解説本なのか、IT用語を笑うことを目的にしたものなのか、判然としない。ただ、ページをめくっていて、何度も吹き出した。
ISDNは「いすどん」、ADSLが「あどする」、FTTHは「ふーす」… まさに、なんじゃそれは?の連続。
かくいう私も、たくさんの「誤読」をしてきた。もう10年近く前、SCSIを「えす・しー・えす・あい」と読み、「それはスカジーと読むのだ」と冷笑された。さすがにそのときは「アンタの言語感覚のほうがヘンやろ」と思ったものです。
でも、よーく考えてみたら、なぜ「スカジー」や「サージー」が正しい読み方なのか、理由なんてないでしょ。いすどんやあどするって、けっこう創造的で、お茶目で、かわいいじゃないですか。
なにもコンピューター業界だけの話ではない。「ハサップ」とか、「サーズ」とか、「イーター」とかも、かなりヘンだ。最初は「誤読」であっても、結果的に人々の間でそれが定着すれば、正しい読み方になるし、多くの人が「ヘンだなあ」と思っても、権威者が「こう読むべし」と決めたものが、なんとなく「正しい読み方」になったりしているのだろう。
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