「奴隷」の引っ越し
1998年夏に紙と電子で出版した『スレイヴ』の引っ越し作業にたいそう時間を費やしてしまった。時間がかかる理由。それは、つい当時のことを思い出して、関係文書をあれこれ読んでしまうからなんですよね。
ちなみに旧サイトは、http://www.ingnet.or.jp/~press/slave.htm
そして、新サイトは、http://homepage3.nifty.com/hatanaka/slave/
じぶんで言うのもナンだけど、『スレイヴ』はよく目立ったと思う。もちろん、アノ芥川賞作家・村上龍さんから絶賛され直木賞候補になった超特大級の大文豪・田口ランディさんの目立ち方に比べれば、月とスッポンですが、普通の人間としては十分すぎるくらいの露出度でしたよ。
とはいえ、『スレイヴ』については毀誉褒貶が定まらなかったことも事実。残念ながら、文学作品の質という点では高い評価を得られなかったようです。しかし、出版流通の形態や著作権についての考え方に対しては一石を投じることはできた、と自分では信じています。新しモノ好きの作家が「うーむ、抜かれた…」と思っていたりすれば、もー万々歳です。(「抜いた」「抜かれた」を意識するのは、習い性なのでしょうかね)
そんなことをあれこれ考えながら、HTMLファイルを読んだり修正したりしていると、なんだか熱いモノが胸にじんわり込みあげてきた。その熱さの90%は感謝と感激です(ポット出版の沢辺さん、青空文庫の富田さん・浜野さん、ありがとう)。そして、残り1割は怒りと恐怖です。いまさら固有名詞を挙げて晒すようなことはしませんが、《嫉み》や《妬み》というのがいかに恐ろしく惨めなものかを肌で感じられたのも、スレイヴのおかげではありました。はい。
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