小説『ジョゼと虎と魚たち』の魅力
出社する前に、近くの本屋に立ち寄り、ひっさしぶりに小説らしい小説を買った。きっかけは、同居人が買ってきた『ぴあ』をぱらぱら眺めていて『ジョゼと虎と魚たち』という名の映画が紹介されていこと。なんと「原作:田辺聖子」と書かれているではないか。え?あの田辺聖子さん?
映画監督が田辺さんの作品に惚れ込んで映画化してしまったに違いない。そう思ったわたしは、原作を読みたくなり、うずうずしながら駅前の本屋に立ち寄った。すぐに見つかった。『ジョゼと虎と魚たち』は角川文庫に収められていて、奥付を見ると初版発行は昭和62年1月10日、現在19刷だった。(なんや、もう文庫かいナ。知らなんだなー。最近、小説から遠ざかってるしー)
小説「ジョゼと虎と魚たち」は、同名の文庫におさめられている短編(pp.177-204)で、通勤電車のなかであっという間に読み終えてしまう文字量である。ただ、ページをめくるのが惜しいと思った。この感覚は、ジュンパ・ラヒリの『停電の夜に』(新潮クレスト)を読んで以来だ。おいしい小説を読み終えるのがもったいないと思いながら泣く泣くページめくっていく。これほどの贅沢がほかにありましょうか!? 大江戸線汐留駅につくころには両腕に寒疣(さぶいぼ)が出ていた。(うまいんですワ、ホンマに……なんであんなふうに書けるんやろか。心の底から弟子入りしたい)
映画のほうは、犬童一心という人が監督をしていて、渡辺あやという人が脚本を書いている。出演は妻夫木聡さんと池脇千鶴さん(池脇さんは『大阪物語』とか『ほんまもん』で好演していたのですね)。きっとみんなあの作品に惚れ込んだんだろうな、と勝手な想像をした。機会があれば映画も観てみよう。
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■映画『ジョゼと虎と魚たち』 公式サイト
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コメント
はじめまして。マモルと申します。ジョゼと虎と魚たちに関する記事をトラックバックさせて頂きました。よろしくお願い致します。畑仲さんは原作をよまれたようですが、僕は映画を見ました。言葉では上手く表現できないぐらい感動しまいした。ぜひ原作も読んでみたいと思います。
投稿: マモル | 2004年11月22日 (月) 21時14分
あ…すいません。映画のTBはこっちじゃなかったんですね…。まちがえちゃいました…。
投稿: マモル | 2004年11月22日 (月) 21時28分