Community? Public Sphere?
湯川さんの「ネットは新聞を殺すのかblog」で、"ジャーナリズムの定義"についての記事が紹介されていた。「定義する」というのは、とても危うい作業だと思うが、Jonathan Dubeという人がCyberJournalist.netに書いている内容は、示唆に富んでいた。
Journalism = Community = Democracyと題する記事は、インターネットが米報道機関に与え続けている影響を振り返りつつ、次のようなかっこいい言葉で締めくくっている。
If you try to separate journalism from community and democracy… Well, then, it may be news, but it's not journalism.
そこで思うのですが、community って何でしょうか。わたしたちも日本語で(カタカナで)よく「コミュニティ」って言いますけど、わたし自身の職業生活を振り返っても、コミュニティっていうものをそれほど意識したことはなかったんですよ。県版にいい記事を書くこと? 地域社会に貢献すること? うーむ、なんかしっくりこない。むしろ、ハーバーマスの「公共圏」に近いのかな。公共の利害に関係するテーマをきちんと選択して記事にすること、と言い換えられるかなぁ。ちょっと自信ありません。
いずれにしても、いつもこういう記事を人に見つけてもらうのではなく、じぶんでも探さなけれいけませんわね。いまさらながら“オンライン・ジャーナリズム”を考えるときに、やはり英語は達者なほうがラクでしょうね。
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コメント
畑仲さんに手ほどきを受けて以来、書き込みに凝りだして、ここまで遠征してきました。ネットってすごい、と思っています。
公共圏とコミュニティ、いいテーマです。二つはぜんぜん違います、、、という人と、そうではない、等号を結べるモーメントがある、いやむしろ等号で結ぶべきだ、という人といます。これ、リベラリズムとコミュニタリアニズム論争の中心課題です。おもしろいんです。これもいつかゼミで取り上げてみようかな。
投稿: hayashik | 2004年10月10日 (日) 20時59分
先生、ありがとうございます。休日だというのに指導教官からコメントをいただけるなんて、表現のしようがないほど光栄です。
「リベラリズムとコミュニタリアニズム論争の中心課題」とのコメントをいただき、われながらイイところを突いてたじゃん、と思ったりしています(エヘン!)。ネットで調べてみたら《リバタリアン対コミュニタリアン》については、大勢の人が書いているのですね。いつかぜひ、教室で授業で取りあげてください。
あと、北田先生に負けずに先生もブログを始めてくださいよ。ネットに自分をさらすことの危険はありますが、思わぬところで思わぬ人と出会う楽しみもあります。ぜひ!
投稿: 畑仲哲雄 | 2004年10月11日 (月) 01時06分