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2004年11月 1日 (月)

映像から受けるダメージ

なんの脈絡もなくフラッシュバックする映像がある。イラクで人質になった米国人ニック・バーグさんが生きながら首を切り落とされる一部始終を撮影したものだ。思い出すだけで吐き気がする。ふいに雑巾で横面を思い切りひっぱたかれたような気持ちになる。

なぜこんなことを書くのかというと、香田証生さんが殺害されたことで、フラッシュバックの回数が激増しているためだ。

インターネットは中抜きをする。なにごともダイレクトで伝わる/伝える。戦争の場合、これまでなら戦場で起こっていることをマスメディア(戦場ジャーナリスト)が伝えてきた。情報の流れとしては《戦争の現実》→《マスコミ》→《わたしたち》という順だ。だけど、このたびの戦争は違う。《戦闘行為者》→《わたしたち》なのだ。

こうしたインターネット利用は、じぶんの仕事にも関係するし、大学院での研究テーマとも無縁ではない。だれもが低コストで情報発信できるネットが戦争に利用されている。そのことから目を背けてはならない--あのときはそう自分に言い聞かせ、バーグさん殺害映像を見た。怖いものを見てみたいという気持ちもあったかもしれない。そして、映像が突然フラッシュバックするようになった。

ザルカウィたちの戦闘行為を、日本にいるわたしが見る。そのことは、どういうことを意味するのか。やつらは命がけの戦闘をしていて、惨殺映像を公開することも戦いの一環なのだろう。あれはりっぱな戦争行為だった。わたしはそのことに無自覚だったため、“映像の銃弾”に撃たれてしまった。フラッシュバックは古傷がうずいているのと同じ。早く癒えてほしい。

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コメント

前に見ました。生映像かどうか疑問視する向きもあるようですが、やっぱりその瞬間だったのかな。でも、ぼくにはカレンダーがかぶった写真のほうがフラッシュバックしそうです。

投稿: 吉田@SAS | 2004年11月 1日 (月) 07時40分

吉田@SASさん、コメントをありがとうございました。

mixiのカレンダーつき顔写真は、すっごく良いアイデアだと思ったのですが、ちょっと、アレでしたね(笑)

投稿: 畑仲哲雄 | 2004年11月 1日 (月) 21時04分

興味本位で香田氏の処刑動画を見ました。他国の人の動画も見ようと思ったけど、止めました。あの動画は一つ見るのが限界です。怒りはない。ただひたすらに悲しいかった。自分は悟った人間だとか、死の超越がどうとか知ったような事を言ってました。それがどうだ。現実に起こった一つの死すら受け止めきることができず、ただ恐怖に震えているだけです。僕はあまりにも弱すぎる。

投稿: | 2004年11月 3日 (水) 12時14分

檀さん、コメントをありがとうございました。
あの手の映像を見ても平気な人はなんともない人もいますが、やはりわたしも檀さん同様、「弱すぎ」な一人です。なんか暗鬱たる気持ちになりますね。

投稿: 畑仲哲雄 | 2004年11月 3日 (水) 13時39分

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