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2005年4月17日 (日)

ブログ執筆4箇条

ブログがきっかけで解雇された人のことが話題になるたびに、他人事ごとではないなあと思ってきた。これはなにもブログに限ったことではない。BBS(電子掲示板)への投稿はもちろん、新聞や雑誌への投書内容もクビの引き金になりかねない。勤務時間外の個人的な表現活動がもとで会社を追われる危険性というのは、どこにでも転がっている。

ブログは気軽に始められる。一昔前の個人ホームページと比較にならないほど利用者が拡大し、サイバースペースは世俗化している。会社をクビにならないためのガイドラインが望まれるよなあ・・・・と思っていたら、すでに電子フロンティア財団(Electronic Frontier Foundation:EFF)が4月6日にガイドラインを公開していた。

Electronic Frontier Foundation "How to Blog Safely (About Work or Anything Else) " Published April 6, 2005

ガイドラインの目次は以下のとおり。

Blog Anonymously
  1. Use a Pseudonym and Don't Give Away Any Identifying Details
  2. Use Anonymizing Technologies
  3. Limit Your Audience
  4. Don't Be Googleable
Blog Without Getting Fired
  1. Political Opinions
  2. Unionizing
  3. Whistleblowing
  4. Reporting on Your Work for the Government
  5. Legal Off-Duty Activities
Blog without Fear

一言でいえば、ブログするなら匿名に徹しなさいということだ。ブログをペンネーム(ハンドル)にすることはもちろんのこと、現実の社会でブログをしていることを明かさない。とくに上司や同僚、ご近所さまにはバレないように注意すべき。「中央区に本社がある出版社に勤めている」などと書かずに、「関東のマスコミ関連会社に出入りしている」などと抽象度を上げる努力も必要だそうだ。場合によっては、Googleなどの検索サイトで引っかからないようにする措置も。そして間違っても会社の端末や回線を使って更新しないこと。

「表現の自由」はブロガーを保護しないのか、と疑問に思う人もいると思うが、EFFのガイドラインには以下のように記されている。

The First Amendment protects speech from being censored by the government; it does not regulate what private parties (such as most employers) do. In states with "at will" employment laws like California, employers can fire you at any time, for any reason.

「表現の自由」を定めた合衆国憲法第一修正は、政府の検閲から個人の表現を守る。しかし、私企業が従業員の表現を抑圧することには言及していない(憲法っていうのは、国。政府を規制するものですから)。そもそもサラリーマンなんてものは、簡単にいついかなる理由でも解雇され得るものである。・・・・名前を晒してブログしているわたしにとって、絶望的なことばかりが書かれている。

人は、市民として在ると同時に、消費者としても存在する。そして、多くの人は「被雇用者」でもある。被雇用者としての立場が彼ら/彼女らを抑圧しすぎる社会は困りものだ。だれかが「古代ギリシャにおける奴隷って、現代社会のサラリーマンみたいなもの」と言っていたが、たしかにそんなものかも知れない。

ちなみに、わたしがこの実名ブログを作るときに決めた4箇条は以下のとおり。

1. 勤務先の名称や業務内容について触れない(あくまでも大学院生の備忘録&身辺雑記ですから)
2. 職務を通じて知り得たことを書かない(公知の事実については触れることがあります)
3. ブログの更新は自宅の端末と自分が契約している回線を使う(李下に冠を正さず、です)
4. コンプライアンスに関わる問題が生じた場合は、上記の限りではない(市民としての立場は放棄できませんから)

いまのところ、これで問題はないと思っているのですが、ダメでしょうか?条文は必要に応じて修正しますので、法律に詳しい方、アドバイスください。(クビになってしもたらローン払われへんがな!)

■参考サイト
・Electronic Frontier Foundation "How to Blog Safely (About Work or Anything Else)" Published April 6, 2005
・WASHINGTON 通信 2.1(慶長寿彰氏) 「ブログでクビになった人びと」2005年03月24日
・ドラゴンキラーを売ってるところ2 「ブログでクビにならないためには友達にもブログを教えないことが重要ではないだろうか」 2005年04月13日
・β. (Bee’s Blog) 「ブログ執筆ガイドライン」 2005-04-13
・ITmediaニュース 「Blogでクビにならないために――EFFが提言」 2005/04/11
・Wired News [culture] 「ブログで会社をクビに――米国で解雇例が続出」 2004年12月6日

・The Bloggers' Rights Blog: http://rights.journalspace.com/
・A list of fired bloggers: http://morphemetales.blogspot.com/2004/12/statistics-on-fired-bloggers.html
・Anonymizer's Anonymous Surfing: http://www.anonymizer.com/anonymizer2005/1.5/
・How Tor works: http://tor.eff.org/overview.html
・C|Net's guide to workplace blogging: http://news.com.com/FAQ+Blogging+on+the+job/2100-1030_3-5597010.html?tag=nefd.ac

・ネットは新聞を殺すのかblog「記者とブログ」 2004-11-13 22:16
・J考現学「記者とウェブログ」 2004年11月13日

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コメント

そうか、漏れがここでバラせばいいんだw

投稿: あ、名前欄だ | 2005年4月18日 (月) 00時32分

名無しさん>だめポ!

投稿: | 2005年4月18日 (月) 01時03分

メル欄に sageって入れたら ああダメぽ

投稿: この前なかったんですよ | 2005年4月18日 (月) 19時13分

日経記者HP事件とかいうのがあって、記者が自分のHPで取材の内幕やらを書いて処分されて裁判になったケースがあるようです。もっとも、クビじゃなくて出稿部からの配置転換の処分らしいです。
ジュリスト1238(2003.2.1)に判例の紹介がありました。参考までに。


投稿: gaku | 2005年4月20日 (水) 12時56分

gakuさん:「日経記者HP事件」の紹介をありがとうございました。感謝します。

投稿: 畑仲哲雄 | 2005年4月21日 (木) 01時34分

gakuさんから教えてもらった事件の備忘録---地裁判決は平成14年(2002)3月25日に下されていた。判事は東京地裁民事第19部の木納敏和裁判官(当時)。木納氏は判決の中で以下のように記している。

《企業の秩序維持とは何らの関連性を有しない労働者の個人的な行為を対象として、懲戒権を行使することは許されないものと解されるが、労働者の私的生活上の行為であっても、その行為が労働者の企業における職務に密接に関連するなど、企業秩序維持の観点から許されない行為と認められる場合には、なお企業秩序遵守義務に違反する行為として懲戒処分の対象とすることができるというべきである。このことは、仮に、懲戒処分の対象となる労働者の行為が憲法上保障される場合であっても、憲法上の権利保障は労働者と企業の間の労働契約関係を直接に規律する効力を有するものとは認められないうえ、企業秩序維持の観点からこのような行為を懲戒処分の対象とすることが当然に公序良俗に反する許されないものとも解されないことから、同様に懲戒処分の対象とすることが許されるというべきである》
(出典:平成13年(ワ)第5474号 懲戒処分無効確認等請求事件)

「表現の自由」は憲法が保障してくれているから、個人サイトで何を書いても大丈夫だ、と考えている人がいれば、一刻も早く考えを改めるべきだ。

All About Japanで辻雅之さんが、憲法の人権規定が私人間(しじんかん)で適用されるかどうかについて分かりやすく解説している。

《憲法は公法。国家と国民との間の契約。国家には「集会の自由があるからこの集会に出る」とはいえても、私人である企業の上司に「お前仕事さぼるのか」といわれれば集会に参加できない。憲法は私人と私人の間の関係を規定したものではないからです。》
(出典:辻雅之「憲法と人権の話、応用編」 All About Japan政治の超基礎講座(6)2004.07.19)
http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20040719A/?FM=cukj&GS=politicsabc

投稿: 畑仲哲雄 | 2005年4月22日 (金) 02時50分

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 Steve Olafsonは、Houston Chronicle紙に勤めながらBanjo JonesというペンネームでThe Brazosport Newsというウェブログを書いていた。ところが、自分の父親の死について書いたエントリーと、地元紙に載った訃報記事の内容が一致したためにバレてしまった。編集幹部には「信じられない」と呆れられた。Olafsonは素直に謝り、ウェブログも閉鎖した。しかし、一週間後に解雇された。 ... [続きを読む]

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» ブログでクビにならないガイドライン [猫手企画@新聞屋]
CNET JapanからEFF、ブログでクビにならないためのガイドラインを発表は、社名を名乗ってブログを執筆する責任を改めて感じる内容です。以前Googleの社員がブログをネタに会社をクビになったのは記憶に新しいですね。論惰な日々の畑中さんやネットは新聞...の湯川さん、J考現学さんなどが関連の内容で書かれている。佐賀新聞社にはブログに関する明確な規定はありませんが、私のこのブログに関しては管理職以下皆さんよく読まれているようです。社内でも「iPodの調子はどう?」なんてよく聞かれたりします(絶好調... [続きを読む]

受信: 2005年4月20日 (水) 06時30分

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