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2005年9月18日 (日)

引っ越し見積もり

sakai引っ越し業界は長足の進歩を遂げている。料金そのものの競争もさることながら、オマケやオプション部分での競争もすさまじい。きのう、大手5社の担当者に順番にきてもらい、見積もりをお願いする機会を得たので、メモしておきたい。引っ越しを検討している人の参考になればと思う。

午前9時。トップバッター「キリギリスと対照的な小さな昆虫さん」が到着。スーツ姿の営業マンが、自社のサービスを果敢に売り込む。営業マン曰く「ウチはすべて自社トラックだし、未熟練な日雇いの作業員は使わないから、とても安心」。そう、そう、配送員は当たりはずれがあるよなあ、と思って聞いていたら、営業マン氏は「ウチはリピート率も40数%で信頼の証です」とたたみかける。なるほど、なるほど。こちらのニーズを掴もうと賢明に頭を回転させながら話す姿勢に、正直、好感を抱いた。営業マン自身、配送の現場にも出ているというのが説得力を持っていた。引っ越し準備の小物をプレゼントしてくれたのもポイントが高い。この会社が提示した金額を《100》として、以下比較してみる(←100万円ではありません。比較のための指数です)。ちなみに100というのは、わたしの想像よりもずいぶん安く思えた。

2番手は「ネコ型ロボットさん」。カリスマ経営者が率いる企業で、コマーシャルソングを聞かない日はない。だが、営業マンは約束の時間に来ない。15分経過した時点で、こちらから電話したところテレホンセンターは「調べますので、しばらくお待ちください……(数分経過)……道路が混んでいるのか、直近の訪問先で長引いているのだと思います」。土曜の午前に混雑している道路をやってくるのか。なんだか訝しく思いながら待っていると、営業マン氏は25分遅刻して堂々と現れた。「駐車する場所が見つからなかったんです」。遅れるなら電話してくるのが常識だぞ、という言葉を飲み込んで話を聞くことに。この会社はキメの細かさが自慢なのだそうだ。たとえば、貴重品を入れるダンボールは色違いのテープで梱包するとか、前日に梱包部隊がやってきて一斉に荷造りをするとか、搬入時には近所に「迷惑をおかけします」と声をかけて回るとか、そういうノウハウがぎっしり詰まっているという。また、大手だけあってオプションも豊富。フローリング床のワックス(シリコンなんとか)もあれば、ありとあらゆる家電商品も販売していて、設置もしてくれる。これは便利。あとで電気屋さんに来てもらうことを思えば時間の短縮になる。オプションにかかる費用を除いて提示された金額は《300》と、前社の3倍とかなり高めだった。でもまあ、どうにか想定の範囲内。営業マンはおっとりタイプで、人は良いかもしれないが、目線が高くどこか高飛車なものを感じた。有名企業にもやる気のない社員はいるし、小さな企業にも元気な社員はいるということだろう。

3番手は「笹の葉大好き熊猫さん」。この会社の営業マンも遅刻をした。ただし、事前に2回も電話をかけてきて「たいへん申し訳ありません」を連発。汗を拭きながら平身低頭してやってきた姿は、むしろ微笑ましく好印象。こちらの問いかけにも一生懸命答えようとする姿もよかった。上場して企業規模が拡大しているだけあって、オプションも結構そろっている。パンフには、新居到着時に靴下を履き替えるなどのキメ細かさも謳われていて、「べんきょうしまっせ!」とも書かれている。そんなことよりも、この会社はなにが素晴らしいかというと、お米をプレゼントしてくれたことだ。「引っ越しそのものとは関係ないんですけど、見積もりさせていただいたすべてのお客さまに」と両手でうやうやしく差し出したのは、「いわて純情米 ほんの気持ちでございます」と書かれたお米1キロ袋。これには爆笑した。インパクトありすぎ。彼の提示した見積もり額は《100》。安い! トップバッターの昆虫さんとピッタリ同じだった。

4番手は「映画『魔女の宅急便』に協力した黒猫さん」。営業マン氏は定刻通りにやってきた。えらい! いや、それで普通なのだ。ちなみに、引っ越し業者は2つに分けられる。最初から引っ越し専業の会社と、運送会社が多角化のために引っ越し*も*やっているところ。1~3番手は前者だが、黒猫さんは後者に位置する。セールスも若干違う。では、引っ越しに絞って比較すると劣るのかというと、営業マンによると必ずしもそうではない。運送/配送業としては超大手だし、さまざまなオプションがあり、なんでも売っている。パンフを眺めていると、じぶんは何屋さんと話し合っているのか分からなくなってくる。ちなみにこの会社の営業マンは木訥タイプだったが、雑談のなかで彼自身が最近、引っ越しをしたときに、ライバル会社から見積もりを取ったところ、悪口合戦になっているのを実感したそうだ。探求心旺盛な人物である。この会社が提示した額は《120》。意外と安い。安すぎないか? 引っ越し専業ではないが、組織力と総合力を感じざるを得ない。

夜にやってきた5番手は「長鼻目ほ乳類さん」。わたしたちは、見積もられることに馴れた。定刻通りにスーツ姿でやって来た営業マン(主任さん)をかなり批判的に突き放して観察してしまった。あーあ、説明にメリハリがないなあとか、終始作り笑顔を浮かべるのも鬱陶しいなあとか、社員研修のために社内に「大学」があると自慢されてもなあとか……。サービス内容は他の業者さんとほぼ同じと見ていい(つまり、どこも似たり寄ったりということだけど)。営業マンが言及していたのは、古き良き引っ越し会社の伝統を受け継いでいて、昆虫さんや熊猫さんのようにコスト削減の限界を求めるような過激なことはしていないということ。補償面でもきっちりしているそうだ。提示額は《170》と最も妥当な額だった。荷造り+荷ほどきを任せるつもりだったし、わたしはこれぐらいの金額を想定していた。そういう意味で、この会社の見積もりがドンピシャリ。さすが主任さん。だけど、この会社が運搬を得意としているタンスなどの大きな家具は、わが家にはないのだけど。

営業マンとしては昆虫さんが最も丁寧で良心的で積極的だった。次は熊猫さんが良い味を出していて、つい応援したくなった。でも、彼らは実際に荷物を運ぶ現場にはこない。実際にやってくる作業員の士気が低かったり、いい加減だったりする危険性は大いにある。優秀な作業員を選べないのだから、気持ちよく引っ越しできるかどうかは、ある意味で運次第。引っ越し料金は、(1)荷物の量 (2)移動距離 (3)トラックの大きさ (4)作業人員――などによって算出されるため、条件を同じにするとそれほど差が出るものではない。言ってみれば、見積もりがすべて。引っ越しにどれくらいの予算と時間を割けるかという客側の条件に対し、どれくらい誠実に応えるか――客と営業マンとの知恵比べとなる。

最安値を提示した昆虫さんは「新築は何かと物入りでしょうから引っ越し代金は抑えるべき」と言い、「まだまだ勉強しまっせ」がウリの熊猫さんも安さを強調した(←この2社は宿敵のようだ)。逆に、最高値を見積もった猫型ロボットさんは「人生の記念に失敗のない引っ越しに」と、正反対のことを言って3倍の料金を提示した(遅刻して悪びれもしない業者はゲンが悪いで)。だけど、わたしが選定の決め手にしたのは、時間とオプションだった。4人を投入して丸1日で荷造りから荷ほどきができ、かつ、お気に入りの冷蔵庫を安く販売している業者は1社しかなかった。ちなみに、いまどきの冷蔵庫は3階建ての曲がり階段を持ち上げて運べず、クレーンでベランダから搬入するケースが多い。量販店で安く買っても、クレーン料金のために数万円の別途料金が必要になる。引っ越し業者から買えばクレーン料金が0円になる。こういうのが決め手のひとつになるとは、当初、思ってもみなかった。各業者がいくら「安心」とか「信頼」という言葉を発しても、それだけで複雑性は縮減しないのだ(大手5社に絞った時点ですでに縮減しているのですけど)

余談だが、引っ越しは時期を選ぶべきだと思う。業者がフル稼働する春のシーズンは、どこも人手不足になるため、未経験の作業員が大幅に増える。その朝どこかでカキ集めてきた人たちにいきなりプロの作業させて、夜に日給を渡してサヨウナラというケースも珍しくない。後日、荷物が壊れていたり、荷物が足りなかったりしていても、日雇いの作業員が履歴書にウソが書いていれば、追跡できないという。こわー!

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コメント

清水外野手(日本通運)の打球は…まで読みますた。うそです。「見積りがすべて」かっちょ(・∀・)イイ!!
↓おやびんがんがって♥
http://www.hikkoshihikaku.com/com/index.html

投稿: 仲間由紀恵@3年計画 | 2005年9月19日 (月) 04時05分

仲間由紀恵@3年計画さま: ごぶさたです。社会人野球の球団をもつ日通って大手企業ですね。チーム名は「ペリカンズ」かな?

投稿: 畑仲哲雄 | 2005年9月20日 (火) 00時40分

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