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2005年10月19日 (水)

考察-マンション名

20000715a街歩きの愉しみはいくつもある。歴史的な人物ゆかりの建物や建物を見て歩くうちに、郷土への愛着が深まるというものだ。しかし、わたしの街歩きは、主に非学術的・非文化的なものへのこだわりに費やされている。マンホールのフタだったり、マンションの名前であったりする。マンホールのフタ問題は後に取っておくとして、今回はマンション名を考えてみたい。

わたしが通う大学院がある文京区本郷は、学生向けマンションやアパートが多い。家主さんはいろんな思いを込めてマンション名を付けているはずである。だけど、おやっと思うマンションがいくつかあった。その一つは菊坂の「シャープ本郷」。目のつけどころを強調しているのだろうか。落第横町の奥には「マナー本郷」と「ラーマ本郷」がある。「マナー」とは、行儀・作法・礼儀を意味するmannerのカタカナ表記であり、「ラーマ」はタイ国王ラーマ五世(在位1868- 1910)か、マーガリンの商品名かのどちらだ。樋口一葉や石川啄木など文人ゆかりの地ならではの奥深さを感じずにはいられない。

わたしが少し前まで暮らしていた文京区小石川も、永井荷風や幸田文が暮らしたことで知られる。そんな小石川には「ポエム小石川」という微笑ましい名前のマンションもあるが、その一方、「ホワイトハウス小石川」という大胆なネーミングのマンションもあり、これを見つけたときはすこし複雑な気持ちになった。

東京に引っ越す前に暮らしていた大阪・天満には「同心町」「与力町」という江戸時代からの地名がある。文字通り、大阪城に“通勤”した役人たちが住まわされたエリアである。そんな歴史を感じる街にも、現代ふうの名前をつけたマンションが数多くあった。はからずもウーンと唸ったのは「エスポワール与力」と「エスリード同心」だった。西洋かぶれの軽薄なチョンマゲ姿の武士が連想され、商都・浪速の底力を思わないではいられなかった。

マンション名の社会学的考察というのは面白いかも知れない。論文あるかなあ。

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コメント

メインコンテンツってグロ写真だよね?と思っていたら、久々のヒットw
でもあまりにプロっぽすぎて、やっぱおやびんらしくない。。。。
前はよくポスティングやったので、変なのよくあるの知ってます。

投稿: 仲間由紀恵@3年計画 | 2005年10月19日 (水) 01時41分

仲間由紀恵@3年計画さま: 久々ですって? プロっぽいので私らしくないですって? むーん。変なマンション名、教えれ!

投稿: 畑仲哲雄 | 2005年10月24日 (月) 00時02分

あれですよ、気楽に書いてくださいね♥と足を引っ張っているわけです。
外国語使えばいいってもんじゃないだろっていうのが基本ですが、本文のはハイレベルっす。うーん、知り合いが「○○ファーム」というところに住んでいて「競馬好きの大家に何だか育てられているようだ」と。

投稿: 仲間由紀恵@3年計画 | 2005年10月26日 (水) 01時54分

きょう本郷を練り歩いていて、とんでもないマンション名を見つけました。その名も、「HERITAGE 本郷」・・・・。たしかに高級っぽかったけど、それにしても遺産かい!

投稿: 畑仲哲雄 | 2005年12月 3日 (土) 23時48分

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