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2005年11月25日 (金)

凡人のかなしさ

じぶんを高く評価してもらいたいというセコイ欲求はおそらく誰にでもある。たいていの場合、高く評価されることを(露骨に口に出したりせずに)密かに望んでいる。だけど、他人からの評価と自己評価との間にギャップがあり、他人からの評価よりも自己評価のほうが高くなる。平たく言うと、他人はじぶんが思っているほど自分のことを評価していない(だれだってじぶんが可愛いからね)。それをどうやって埋め合わせるか。東浩紀さんのブログを見ていて、そんなことを考えた。

東浩紀「インスパイア」 hiroki azuma blog ,2005年11月13日

そのブログによると、ある研究者が最近、著名な研究者(学環のK田先生)の独自性あふれる先行研究を知りつつも、わざとそれに言及せず、同じような記述をじぶんのオリジナルかのように記述したのだという。どんな内容なのか、わたしにはよく分からないが、アイデアやそれを表す表現をめぐって剽窃のようなことが行われたことが示唆されていた。東さんは「研究者は概念に著作権を主張しません。だからこそ、その由来はできるだけフェアに参照すべきです」と正論を述べていた(まさに正論ですよね)。

東さんはこうも書いている。「人文・社会系の学者には、むかしから、本当に影響を受けた対象を隠し、そのひとを飛び越えて元文献を引用することでハクをつける、という非倫理的な態度がまかりとおっています」(←そこまで書いていいんですか~!)。東さん(やK田先生)ほどの傑出した人ともなれば、周囲のひとの才能に嫉妬した回数も少なかっただろう。だが、すべての凡人はグレーな世界を生きていている。一概に「研究者」といっても傑出した人材は一握りしかおらず、多くの場合はその業界の凡人にすぎない。医師業界しかり、法律家業界しかり、政治家業界しかり。凡人はじぶんの所属する業界でセコく生きてるんですよ、たぶん。

一握りの優れた人から「いやしくも、○○たるもの、××すべきではない」と叱られたら、落ち込むだろうな、と思った今日このごろです。わたしも今後似たようなことをやらかす危険性がある。あえて参照しないというのではなく、先行研究をきちんと調べないという危惧のほうがおおきい。気をつけよう。

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コメント

元ブログ読みました。ばれるのにずるいことする人もいると。喧嘩売ってるつもりの可能性はないのかな。しかし、きもい世界ですね。

投稿: 仲間由紀恵@3年計画 | 2005年11月25日 (金) 01時08分

仲間@3年さん: こちは。東さんが「喧嘩」を売るとすれば、知の巨人みたいな人が対象じゃないですかね。「きもい」の部分はスルーしますw

投稿: 畑仲哲雄 | 2005年11月25日 (金) 11時00分

いえいえ、そのパクったと言われる人が、K田先生に対して、ですよ。ところで、インスパイアって最近「パクリ」以上の意味を持たなくなってきてる希ガス。自分はそんな「インスパイア」タンが不憫でなりませんが、その辺をタイトルにしちゃうところが
ステキダワァ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゜゚・* !!!!!
それにしても、おやびんキモヌ

投稿: 仲間由紀恵@3年計画 | 2005年11月27日 (日) 15時06分

あーなんだか怖い。
いまさらんがら、先行研究とはそういうことか・・・。飛び越してもとネタ。致し方ない部分もありそうなきもします。
自分がインスパイアされたものを核にして(それを明記し)元ネタということでしょうか。
 どこで足元をすくわれるかわかりません・・・うーん。物書きも危険な世界なのですね。

投稿: JOHNY | 2005年11月28日 (月) 04時01分

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渦状言論:インスパイアを受けて、 わたしも今後似たようなことをやらかす危険性がある。あえて参照しないというのではなく、先行研究をきちんと調べないという危惧のほうがおおきい。気をつけよう。(論駄な日...... [続きを読む]

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