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2006年3月24日 (金)

でりゃあ論文だなも

hasegawaどえりゃあ修士論文を書く人がいる。でかい学者になる人は、修士論文から違うというが、そんな修論をベースにした書物に出会った。わたしなら「こういう論文が書けたら、もう何も思い残すことはない」とわめいて、通天閣からバンジージャンプするところ。だけど、論文の著者・長谷川一さんにとって、これは“ホップ”にすぎないのかもしれぬ。今後、ステップ、ジャンプ、大ジャンプ、超ジャンプ・・・・と躍び続けるだろう。これまで積ん読状態にしていた自らの怠惰さを呪うばかり。じぶんの力のなさが情けない。

長谷川一(2003)『出版と知のメディア論-エディターシップの歴史と再生』みすず書房

おなじマスメディアの範疇に分類されながら、出版をフィールドにした論文と、新聞系の論文とでは、やや違う。新聞を論じるときに避けて通れないのがジャーナリズム・・・・。いやむしろ、ジャーナリズムを研究するときの対象が、これまであまりにも新聞に偏重していたというべきかもしれない。ジャーナリズムの隣には自由や民主主義という大きな概念が横たわっている。真正面から取っ組み合うには気が重い。

むろん、出版もジャーナリズムから切り離すことはできない。しかし、長谷川さんはもっと大きな枠組みでメディア論を展開する。知と出版。―――まだ序章と1章と最終章を読んだだけなので、内容についてあーだこーだいう資格はない。ただただ、博覧強記に圧倒されました。

■関連サイト
▽書評・感想
・猫の夜会ライブラリー http://library.cocolog-nifty.com/night_clowder/2005/03/post_4.html
・みすず書房 http://www.msz.co.jp/titles/06000_07999/ISBN4-622-07029-4.html
・Copy & Copyright 複写と著作権 http://copy_and_copyright.at.infoseek.co.jp/books/title/hasegawa01.html
・読書日記 http://tsysoba.txt-nifty.com/booklog/2004/03/post_5.html
・flapjackのbookmarks http://d.hatena.ne.jp/flapjack/20060226#p2

▽ブログ
・はせどん先輩のブログ http://booklog.kinokuniya.co.jp/hasegawa/

▽受賞
・日本出版学会 2003年度学会賞・審査結果 http://www.shuppan.jp/show/show25.html

※指導教官といい、長谷川さんといい、「は」のつく名古屋出身のメディア研究者は、でらかしこぉてかんわ。

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コメント

ん?それって、はせどん先輩のことですよね?お人柄もすばらしー方です。
私はまだ『出版と知のメディア論』を読んでいません。。。ってもう修士論文出しちゃったし、昨日修了式も終わっちゃいました。
遅ればせながら、今から読もうと思います☆

投稿: 白ネコ | 2006年3月24日 (金) 21時03分

一年前の今頃読んで、本気で進学を断念しようと思った本です。

投稿: brary | 2006年3月24日 (金) 21時38分

私は論文執筆中、くじけそうになった時何度もこの本を読み返しました。同時に、出版に携わる者として本を開くたびはっとさせられます。

はせどん先輩は、これまでもそしてこれからも私のよきお手本です。

投稿: bamboo | 2006年3月24日 (金) 22時31分

まとめレスお許しください。

白ネコさん、bambooさん: Master of Arts and Science 取得おめでとうございます! 謝恩会に顔を出せず残念でした。

白ネコさん: ぜひ読んでください。ぼくは序章だけでノックアウトされました。(あと、一度わが家へ遊びにきてください)

bambooさん: たしかに気が引き締まりますね。いい先輩がいて幸せですね!

braryさん: 進学を断念しようと思った本!? うーむ、領域が重なってしまうとプレッシャーですね。新聞系でこんな修論があったら、たしかにボクもビビります(笑)

投稿: 畑仲哲雄 | 2006年3月25日 (土) 16時45分

なるとも今日で東京終わり。この前、なるみに似てる人とたくさん話したんですけど、似てること言うの忘れました。不覚。

投稿: 仲間由紀恵@3年計画 | 2006年3月31日 (金) 10時04分

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