帽子のイニシャルから部屋番号?
72歳のポッドキャスター「マサオ」が、しばらく番組を更新しなくなって1ヶ月半。もしかして体でもこわしたのだろうかと心配していたところ、先日、新しい番組を配信した。しばらく中断していたことに一切触れず、ミュージシャンのサエキけんぞう氏が自分の番組を聞いていることを自慢したり、日本語を逆さまに読むと中国語ふうに聞こえるという無理めの“研究成果”を披露したり、メールをくださいとねだったり。最後には「帽子のイニシャルから部屋番号を探すからね」といういつもの決めゼリフで締めくくっていた。すこしわけが分からないが、久しぶりに元気な声を聞くことができて、とにかく嬉しい。
J.オング、ウォルター(1991)『声の文化と文字の文化』、桜井直文ほか訳、藤原書店
MCマサオ『デジオ・ダンディー』 http://sweet.podcast.jp/home/sumsihi/
わたしがこの番組を最初に聴いたのが2005年11月26日の「第12回 怒りの六段跳び」。他愛のない日常ことを好き勝手にしゃべるだけだが、72歳の爺さんがポッドキャスターであることに感心した。以来、「第13回 マサオ総理」(05年12月06日)、「ヒロタカナの曲」(同)、「第14回 患者として薬をまつ」(05年12月08日)、「第15回 証人喚問と薬局(落語調)」(05年12月19日)、「第16回 マサオからメリークリスマス」(05年12月24日)、「第17回 マサオの紅白歌合戦批評」(06年01月16日)、「第18回 72歳が語るやりがい」(06月01月30日)と聴き続けた。ものの見事にどうでもいいような話題のオンパレード。いきなり歌い出したり、ボヤきだしたり。番組がどこへ行くのかハラハラさせられた。なかでも「ヒロタナカの曲」は1曲をまるごとアップロードしているだけで、一言も発しなかった。(どーなっとるんや!)
マサオ爺さんには申しわけないけれど、この番組が文字だけだったら読まなかったと思う。ふつうの爺さんが自然体でワガママ放題にしゃべっているからこそ光っていた。「ダンディー」というイメージから遠い。だけど、歳を重ねた声にはたしかに魅力がある。しかも人情味あふれる関西弁! 座敷を「だしき」と言ったり、腹が立つことを「業(ごう)わく」と表現したりしていることなどから、播州人ではないだろうか。いずれにしても、長らく声だけで行われてきた人間のコミュニケーションが、いつしか文字という権威によって支配されてきたことを感じざるを得ない。
M1のときに基礎ゼミでウォルター・J. オングの『声の文化と文字の文化』(藤原書店、1991)を読んだことを、ふと思い出した。次の瞬間、論文の内容を覚えていないことに愕然とした。
ところで、「帽子のイニシャルから部屋番号を探すからね」っていうのは、どういう意味なのよ?
■参考サイト
・松岡正剛の千夜千冊2002年11月25日ウォルター・オング『声の文化と文字の文化』1991 藤原書店
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コメント
帽子のイニシャルから部屋番号を探すからね>
flipper's guitar の「恋のマシンガン」という曲のフレーズだと思います。
「帽子の頭文字から部屋番号を探し出した」とかなんとか。
だからなんなんだと言われても困るんですけどね。
とりあえず。
投稿: gaku | 2006年3月19日 (日) 02時33分
gakuさん、ありがとうございます。
Wikiペディアで調べたら、以下のような記述がありました。
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【カメラ・トーク】 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カメラ・トーク(CAMELA TALK)は、フリッパーズ・ギターの2ndアルバム。全12曲入り、1990年発表。前作と違い、全曲日本語詞。小山田圭吾と小沢健二の二人の手によって製作された。録音はイギリスのAIRスタジオ。海外のミュージシャンも多数参加している。 音楽的には、ネオアコ寄りだった前作よりもさらにポップな音になり、様々なジャンルの音楽を取り込むことに成功している。本作の「恋とマシンガン」はドラマ「予備校ブギ」の主題歌に使用された。また最近では日産のマーチのCMでも使用されている。 なお、このアルバムでフリッパーズ・ギターはレコード大賞新人賞を受賞した。
収録曲
1. young, alive, in love/恋とマシンガン
2. camera! camera! camera/カメラ!カメラ!カメラ!
3. cool spy on a hot car/クールなスパイでぶっとばせ
4. summer beauty 1990/ラテンでレッツ・ラヴまたは1990サマー・ビューティー計画
5. haircut100/バスルームで髪を切る100の方法
6. colour field/青春はいちどだけ
7. big bad bingo/ビッグ・バッド・ビンゴ
8. wild wild summer/ワイルド・サマー/ビートでゴーゴー
9. knife edge cares/偶然のナイフ・エッジ・カレス
10. southbound excursion南へ急ごう
11. 3a.m. op/午前3時のオプ
12. camera full of kisses/全ての言葉はさよなら
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URL http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%A1%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%83%88%E3%83%BC%E3%82%AF
仏壇のまえで聴く音楽とは思えない。
投稿: 畑仲哲雄 | 2006年3月19日 (日) 10時25分