松葉杖に想う
松葉杖生活の愉しみは、優先席に座っている人に席を譲らせることのように思えてきた。妊婦でもなく、老人でもなく、障害を持っていそうにない人が、優先席(優先座席、シルバーシートともいう)を堂々と占拠している。足を大きく広げてケータイをピコピコしている人、カバンを横に置いて二人分の席を使っている人、大声で雑談したりバカ笑いしている集団--そんな場面に遭遇すると、妙にウキウキする。わたしの松葉杖が目にはいると、心配そうな表情で「ど、どうぞ」と譲ってくれる人には素直に感謝する。でも、「あー、なんて運が悪い」といわんばかりに渋々席を立つ人や露骨に迷惑そうな顔をする人を立たせた瞬間、内心「勝ったー!」と思う。(いったいなにに勝ったのだろう?)
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