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2006年9月11日 (月)

存在理由と正統性

いまだにこの二者を無意識のうちに混同して使ってしまうことがある。前者はフランス語で〈raison d'etre〉、後者は英語で〈legitimacy〉。ともにカタカナ語として流通しており、似たような文脈で使われる。たとえば「憲法の存在理由」と「憲法の正統性」などなど。でも、文脈がちがうとおかしなことになる。たとえば、「誤審の存在理由」を説明して司法制度の陥穽を突くことはできても、裁判官が「誤審の正統性」を弁明することは許されない。

存在理由は「ある事象が実存する理由」という哲学的な意味があり、反対語は「認識理由」。だから価値フリー。これに対し、正統性は価値まみれの概念。「憲法の存在理由」というと、憲法そのものの実存を問うことになるが、「憲法の正統性」の場合はA国の憲法を指すのか、B国の憲法をさすのかを明確にしなければならないだろう。これからはよりはっきりと正統性〈legitimacy〉を使うことにしよう。(個人的な備忘録です)

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コメント

‘レゾンデートル’とたまに聞きますが、こういう微妙な意味だったのですね。
 私は細々と「杉並区における犬公園立ち入り禁止?是正運動」をやっています。条例など調べてみると、論理的におかしい所があるのです。でもなかなか高尚な?表現ができない・・・とジレンマがあったのですが、存在理由と正統性・・・・
ってここまで書いた所で「正当性」と混同していたことに気付きました。「正統性」ではちょっと無理があるかな???っていうか意味が違いますか・・・・。

 ま。とりあえず(区に対して)私が主張したいのは、条例で明文化されていないのに杉並区が犬公園立ち入り「禁止」と看板を立てるのは「正当」ではなく、犬の飼い主は税金を払って公園整備にお金を出しているのだから犬(を連れている杉並区民)は公園を利用することができるという事実に対し「正当性」がある。また、少子化の昨今犬などのペットと(ペットを飼えない)高齢者などのふれあいが公園で行なわれることができるという「存在理由」がある。ということを主張したいのですが・・・。
 ハタ先生、いかがなものでしょうか。

投稿: Ami | 2006年9月12日 (火) 08時12分

Amiさん、コメントありがとうございます。ワンちゃん立ち入り禁止問題ですか。むつかしいなあ。ぼくはワンちゃん大歓迎ですが、苦手な人がいるのもわかります。公共の領域なので、愛犬家と嫌犬家とが互いの権利を侵害しないようにするには、領域を区切って棲み分けるしかないのではないでしょうか。うちのHALも、ワンコを飼えないけど、触れて癒されたいというお年寄りや子供たちの役に立てそうです。(彼女はすべての人間が大好きですから)
正当性と正統性については、前に触れたことがあります。あまり参考にならないかも知れませんが、お時間のあるときにどぞ。
http://hatanaka.txt-nifty.com/ronda/2006/07/2_4534.html

投稿: 畑仲哲雄 | 2006年9月13日 (水) 08時27分

レスありがとうございます。
3つのセイトウセイ!アルファベットの綴りを思わずメモしました。今話題のある制度の存続に関しても、重要なキーワードですね。特に正統性は私のテーマにも関連します。1階と2階という考え方は思考が重層的に導かれるようで良いですね。でもまだよく解ってないので、機会があったら是非詳しい説明お願いします。

公園の棲み分け!とても良いと思います。カナダでは人間のみのエリア、犬専用のエリア(ドッグラン)と分かれているところがあるらしいです。

投稿: Ami | 2006年9月13日 (水) 11時18分

Amiさん、即コメありがとうございます。
カナダのワンコ事情は、あるポッドキャストで聞いています。ご存じかも知れませんが・・・
http://www.czoom.net/radio/oinusama/

投稿: 畑仲哲雄 | 2006年9月13日 (水) 12時07分

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