遙かなり脱構築
われながら惨憺たる内容だった。お世話になった指導教官も見るに忍びなかっただろう。修士論文の口頭試問。・・・痛いところ、聞かれたくないところを容赦なく突かれ、満足な受け答えができなかった。質問の意図もよくつかめなかったりした。でもまあ、わたしが審査する側に座っていたら「おいおい、もうちょっと勉強してこいや、こっちは土日つぶして相手してやってるんやぞ」とパチキかますところかも。おそらく、お情けで卒業はさせてもらえると思うが、進学は難しそうだ・・・ でも、それがわたしの限界。
振り返れば、摩訶不思議な三年間であった。サラリーマン歴二十数年の中年男が無謀にも社情研・人文社会系研究科(受験時は社情研でしたが、入学時は情報学環・学際情報学府に改組されました)を受験してみたら、まぐれ合格してしまった。機会を与えてくれた大学院に感謝の気持ちを抱いたのも束の間、みずからの知識と能力のなさに打ちのめされた。およそ社会科学を研究する気があれば当然知っているべき理論を知らず(学者の名前も知らず)、読んでいて当然ともいえる基礎的文献を読んでいなかった(存在も知らなかった)。おかげで授業やゼミについていくのがやっとこさ。合格することよりも、入学後のほうがはるかに厳しかった。(一方、仕事のほうは日を追うごと、月を負うごとに忙しくなり、残業時間も増え、お小言をいただく機会も増えたが、給料は増えなかった)
なんのために大学院に来たのだろうと自問し、ときに落ち込み、力のなさをごまかさしながら、どうにかこうにか論文をデッチ上げ、きょうの面接に臨んだ。・・・で、とうとう化けの皮がはがれてしまった。化けの皮について教員たちはとっくに見抜いていて、きょうはわたしがそのことにようやく気がついただけかもしれない。それにしても、よくぞ今日まで大学院に通うことができ、よくぞ綺羅星のごとき一級の研究者たちの謦咳に接することができたものだと思う。みなさん本当にありがとうございました。
「まだまだ脱構築できていない」と先生から諭された。今になってジタバタしても仕方がない。果報は寝て待てといいます。すっかり疲れました。おやすみなさい。
Zzzzzzzzzzzzzzzzzz........................................
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コメント
おやびんの合格を祈って勝負してきます。
http://jra.jp/keiba/thisweek/2007/0204_1/pickup.html
投稿: | 2007年2月 4日 (日) 08時39分
勝ったら一杯おごっておくれ。
投稿: 畑仲哲雄 | 2007年2月 4日 (日) 14時53分
有馬の日にディープ弟に負けた馬が1着のレースで5着の馬なんて買えませんでした。
Z、SUGEEEEEEE!!!!!!!!
つーか、おやびんこの時間に寝てNEEEEEEE!!!!!!!!
投稿: | 2007年2月 5日 (月) 01時26分