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2007年11月29日 (木)

勘違いなモノの名前

先日、風呂上がりに耳掃除しようと思ったとき、アレが切れていたので、「耳クリクリがなーい!」と口走ったところ、同居人から「それは綿棒というのだよ」とたしなめられた。幼児語のような表現を指摘されたわけで、非常に恥ずかしく思った。ただ、わたしにとって「綿棒」なるものは、耳をクリクリする以外に使ったためしがない。自己弁護するするつもりはないが、「綿棒」という表現も芸がない。一般名としては「綿付き棒」であり、用途と状況を考えれば「外耳孔清浄補助具」とでも呼ぶべきではないだろうか。上方落語に「代書屋」というのがあるが、現代版のネタになりそうなものの名前を少々……。

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2007年11月26日 (月)

散髪屋さんと美容院

映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に出てきそうな路地裏の散髪屋さんで髪を切ってもらった。その店の前は毎日のように歩いていたけど、なぜだか足を入れる勇気がなかった。赤青白のねじれ模様がゆったり回り、ガラス越しに見える店内には60代後半から70代くらいに見える老夫婦と息子さんが、独特な時間の流れの中で客の頭を整えていた。いつも気になっていたのだが、意を決してドアをあけた。

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2007年11月25日 (日)

HALの秋冬物

071125_0952main短毛種のミニピンはとても寒がり。HALもどうやら冬が苦手のようだ。よく震えるし、すぐにクシュン!とくしゃみをする。ドイツ原産のくせに、先祖代々暖炉の近くでぬくぬくと育てられてきたためか、わが家でもガスファンヒーターの前から離れようとしない。そのくせ、散歩だけは好きなので、防寒用の冬着が必要になる。こんなにも衣装に手がかかるとは思わなかった。でも、何を着せてもそこそこ似合うのが細身の犬種の面白さかもしれない。最近のお気に入りは、スカートのついたチアガールふうの衣装。ただし、同居人のご学友から、スカートを履いてるからノーパンが強調されることを指摘された。なるほど、人間の女子は目の付けどころが違う。でも、散歩の時にパンツをはかせると、おしっことウンチができないのだよ。

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2007年11月23日 (金)

ナポレオンはスターリン

Animalfarm「事実」としてつづられたエッセーやコラムには重要な真実が隠されたり捨象されたりしているが、虚構と銘打たれた「小説」には本当のことが書かれていることが多い--とは、タレント本の書評家でインタビューアーでもある吉田豪さんの名言である。これは芸能人の世界に限ったことではなく一般論としても十分通じる。嘘話ですというエクスキューズができるからこそ本当のことが書けるものだし、うそ偽りはありませんと約束すると書けないことだらけになるというパラドックスが生まれる。オーウェルの『動物農場』を読んでいて、そんなことを思い出した。

ジョージ・オーウェル『動物農場』高畠文夫訳 、角川文庫、1995(原題:Animal Farm, 1946)

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2007年11月20日 (火)

勇ましすぎる「インターナショナル」

Ganbarou同居人が友人からもらったCDのなかに、なんと「インターナショナル」が収録されていて驚いた。インディーズ系の骨太ロックバンドのようで、音楽のジャンルは違えども岡林信康など関西フォークの精神を継承しているのかもしれない。ロック調ではなく、正調の「インターナショナル」が無性に聴きたくなって、労働歌を集めたCDを購入した。いま労働運動をしている人たちの何割が、この歌をそらで歌えるだろう。

アンサンブル・ヴェルソーほか『がんばろう!!決定盤 日本の労働歌ベスト』(キング、2001)
ソウル・フラワー・ユニオン『GHOST HITS 95~99』(キューンレコード、2001)
ウォーレン・ベイティ監督・主演 『レッズ』 (Reds, 米, 1981)

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2007年11月16日 (金)

映画がたのしみ『血と暴力の国』

Oldmenミステリ系の小説はほとんど読まないし、残念ながらグっとくる作品に出会ってこなかったので、それほど期待せずに読んだ。読んだ理由は、著者のコーマック・マッカーシーがピューリッツァー賞作家であることと、この作品をコーエン兄弟が映画化したためだ。物語の終わり方は、なるほどと思わされた。一種の文明批評、というかアメリカ文化批判のように思えた。ちなみに、映画のタイトルは『ノーカントリー(No Country)』だそうです。

コーマック・マッカーシー『血と暴力の国』(原題:No Country For Old Men、扶桑社ミステリ)

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2007年11月12日 (月)

映画『不都合な真実』の政治性

An_inconvenient_truthひょんなことからアル・ゴア氏の『不都合な真実』を見る機会を得た。ゴア氏がノーベル平和賞を受賞したこともあり、世界の話題をさらった映画でもあるので、観ておかなければならない映画だと思っていた。ゴア氏が訴えている内容のなかで、わたしが一番重く受け止めたのは、(1)地球温暖化はイデオロギーを超えて万人が取り組むべき緊急事態であり、(2)環境保護と経済成長が相反しないということ--だ。だがしかし・・・・

D.グッゲンハイム監督、アル・ゴア主演『不都合な真実』(An Inconvenient Truth, 2006, 米)
『不都合な真実』 公式サイト http://www.futsugou.jp/

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2007年11月11日 (日)

HAL、一段落

Yokogao_2お昼にHALを獣医さんのところへ連れて行き、お薬だけもらって帰ろうと思っていたら、獣医さん曰く「採血してみましょうか」。食欲も元気もほぼ元通りにもどってきたのを見た先生は、「血液検査で数字が戻っていれば、もう大丈夫でしょう」という。たまたま看護婦さんの手がふさがっていたので、わたしがHALが体を動かさないように押さえつける係を買って出た。首から口元をそっと抱いたところ、注射器を手にした獣医さんが、首の右側を下から上へ針を刺すという。聞いているだけでこわい。獣医さん曰く「あまり強く押さえつけないで、リラックスさせてください」。

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ポケッとしてるとコロキウム

象牙の塔の内側では特殊な言葉がよく使われている。わが大学院では「博士課程コロキウム」というものがあり、これを3回通過しないと、まとまった単位がもらえない。でも、このコロキウムって一体なにをするものなのか分からなかったので、この際正直に、研究の焦点がピキっと定まらないことや、問題意識がモヤモヤしたままで短い言葉で示せない情けなさを正直に申し上げたところ、貴重なアドバイスをいくつもいただくことができて本当によかった。とにもかくにも、11・9の1回目のコロキウムを通過することができました。

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2007年11月 8日 (木)

落合采配で考える個人と組織

オペラとスポーツを語る玉木正之さんが、このところ一部の中日ファンからバッシングを受けてらしたようで、お気の毒としか言いようがない。わたし自身は社会人になってからスポーツへの関心が薄れていたが、周辺の話題には興味がなかったわけではなく、今回の玉木さんの議論には注目していた。わたしとしては、完全試合を目前にした投手を終盤になって交代した落合采配は、個人よりも集団が優先されたことの象徴のように思えたし、、玉木さんの意見に説得力を感じていたが、玉木さんがラジオの番組で若い人に失望したようなことをおっしゃっていたことを知り、うーむ、と考え込んでしまった。

「日本シリーズの結果、未だに賛否両論」玉木正之 ( 中西一清スタミナラジオ・スポーツエンターティメント、RKB毎日11月7日 )
玉木正之公式WEBサイト『カメラータ・ディ・タマキ』

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2007年11月 7日 (水)

容赦のかけらもない文芸映画

La_pianisteこのところ主題が明瞭で箇条書きで論点をパキパキ抜き出せそうな映画ばかりを見過ぎたようだ。たまに文芸映画を見ると思考が凍り付いて、ただ笑ってしまうしかないような事態に陥る。この映画もそんな作品のひとつ。原作はオーストリア人で2004年のノーベル文学賞受賞者、エルフリーデ・イェリネク。難解というよりも厄介。苦手な人もたくさんいるだろう。見終えたあとのポカーンをどうにかしてくれ、なんちゃって。

ミヒャエル・ハネケ監督 『ピアニスト』 (La Pianiste, The Piano Teacher [eng], 仏・オーストリア, 2001)

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2007年11月 5日 (月)

「冬ソナ」ならぬ「善きソナ」

Thelivesofothersじつに多くの人が「良い映画だった」と評価していた映画を見過ごすのは、たいへんつらい。この映画もそうだった。たしかにズシンと響く内容で、考えさせられることは多い。主人公(ヴィースラー大尉)の感情を抑制した表情のなかに、映画『スペシャリスト』のアイヒマンが微妙に重なった。アイヒマンのなかにもヴィースラーがあり、ヴィースラーのなかにアイヒマンが生きているということだろうか。気がついたことを、未整理のままメモっておきたい。

F.V.ドナースマルク監督『善き人のためのソナタ』(Das Leben der Anderen, The Lives of Others[eng], 2006,独)

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