勘違いなモノの名前
先日、風呂上がりに耳掃除しようと思ったとき、アレが切れていたので、「耳クリクリがなーい!」と口走ったところ、同居人から「それは綿棒というのだよ」とたしなめられた。幼児語のような表現を指摘されたわけで、非常に恥ずかしく思った。ただ、わたしにとって「綿棒」なるものは、耳をクリクリする以外に使ったためしがない。自己弁護するするつもりはないが、「綿棒」という表現も芸がない。一般名としては「綿付き棒」であり、用途と状況を考えれば「外耳孔清浄補助具」とでも呼ぶべきではないだろうか。上方落語に「代書屋」というのがあるが、現代版のネタになりそうなものの名前を少々……。
散髪屋さんの前で青赤白のねじれ模様がくるくる回っているやつをどう呼ぶか。ネットで調べたら「サインポール」と呼ばれ、英語では「バーバーポール」というらしい。赤は動脈、青は静脈、白は包帯を表す。理髪店はむかし、外科医を兼ねていたため、こういうものを店頭で表示する習わしあるのだという。そこで疑問に思うのは、「サインポール」は一般名ではないかということだ。いろんな職業を表すサインのポールのはずだ。わたし的には「クルクルポール」を変化させた「切る切るポール」なのだか。
水洗トイレのパイプが詰まったときに使うアレをなんと呼ぶか。国民の大多数が「ガッポンガッポン」「スッポンスッポン」などと呼んでいるが、正式には「通水カップ」である。カップはお椀のような形を指すのだろう。そして通水というのは詰まったパイプに水を通すことを意味すると思う。でも、水はあくまでも補助するものであって、本当に流したいのは別のモノである。ならば「通便カップ」のような言い方のほうが正確だ。でも、わたし的にはやっぱり「かっぽんかっぽん」が好ましい。
「無限∞プチプチ」という玩具がバンダイから発売された。この「プチプチ」は、ポリエチレンでできた梱包用資材の一種で、割れものをショックからまもってくれるアレである。これを一般名詞で「気泡緩衝材」などと呼ぶらしい。メーカーは複数あり、いろんな商品名を用いていて、名古屋市の川上産業という会社が「プチプチ」という商品名を用いている。わたし的には「これで決まり!」なのだが、「エアキャップ」「エアパッキン」「エアクッション」などという商品名を用いている企業もある。
護岸工事をした河川敷には、コンクリート製のアレがゴロゴロころがっている。新聞などでは「消波ブロック」などと表現されるが、あれはやっぱり「テトラポット」というほうがカッコイイ。製品名としては「テトラポッド」で、最後は「ド」と濁る。フランス企業が発明したものらしいが、「テトラ」とコールされれば、やはり「ポット」とレスポンスしたいところだ。余談だが、 iPod がアイポットとならないのが不思議だ。むかしトリビアで「アイポットという電気湯沸かしポットがある」というネタがあったのを思い出した。
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コメント
幼児プレイ乙。
自分はアメリカンスクールのときからBubble Wrapって呼んでます。川上産業って社名もネタですね。
トリビア:テトラポットだったからaikoは紅白出られた
投稿: 仲間由紀恵@6年計画 | 2007年11月30日 (金) 23時47分
wikipedia見たらちょっと違ったw
おわびに「バック取って」と言われたら後ろに回りこむプレイを伝授。
投稿: 仲間由紀恵@6年計画 | 2007年11月30日 (金) 23時50分
>ASIJ出身の仲間先輩、おひさ。
奇遇ですね。ぼくもAmerican School In Jpan出身です。先輩はどんな愛称で呼ばれた?
わたしからも「バック取って」関連の話題でトリビアを少々。
『Sleep with Me』(1994)という映画のなかでタランディーノが『トップガン』論を展開してます。主人公マーヴェリック(トム・クルーズ)が「俺のケツに付いて来い」「お前が俺のケツに付け」など、思わせぶりなセリフを連発しているのですが、タランティーノは『トップガン』をホモとヘテロの戦いであると断じています。Sleep with Me は映画としてスカですが、この場面のタランティーノは絶品!
投稿: 畑仲哲雄 | 2007年12月 1日 (土) 10時22分
映画『Sleep with Me』(1994)より。
タランティーノ:ハリウッド史上最高の脚本は何だと思う?"トップガン"だ!
相手:おいおい。
タランティーノ:"トップガン"はすげえぞ。"トップガン" お前、ただの戦闘機パイロットの話だと思ってんだろ?
相手:ああ。エリートのな。
タランティーノ:あれはホモとヘテロ(異性愛)の間で闘う男の物語なんだ。あれはそういう話なんだよ! あのマーベリック! …分かるか? あいつはゲイすれすれのクソッタレな所にいるんだ。一方でアイスマン達。分かるだろ? あいつらはゲイだ。ゲイの代表選手で、マーベリックに"なれ!なれ!ゲイになっちまえ"とけしかける。
相手:ケリーマクギリス(女教官役)は?
タランティーノ:そうケリーマクギリス…彼女はヘテロで "ダメダメダメダメダメ!ヘテロでいなさい!規則に従いなさい!ヘテロでいなさい!"と呼び戻す。するとまた彼らが"なれ!なれ!ゲイになっちまえ" 全編この繰り返しだ。
タランティーノ:ある日マーベリックは彼女の家に行く。シャワーも何もかもすませて、その気にさせて──分かるだろ? …けどヤらずにバイクでどっか行っちまう。彼女は ”どういう事よ! 一体何があったのよ、もう!"
さあ次のシーンだ! エレベーターの彼女は男装で、制帽にサングラス──アイスマンと同じジャケットだ! "こうやってマーベリックを──"
"ゲイの道から引き戻すのよ""男のような格好で、彼をおびき寄せるの!"
…そうやって彼女はアプローチしたんだよ。
(ここでつまらない本筋の話に戻る。本当にどうでもいい。けど一方でまだ白熱したトップガン=ホモ談義を続けていたタランティーノ)
タランティーノ:…で。本当のエンディングはミグとの空中戦なんだ。分かるか? なぜならマーベリックは既にゲイになってて──いいか? あいつらはくそったれゲイ海軍なんだ。分かるか?んで奴らがソ連をガツンと叩く。ゲイどもがソ連をガツンと叩くんだ!
タランティーノ:地上に戻った頃には、アイスマンとマーベリックはすっかり出来ちまってる。抱き合ってキスしながらキメのセリフを言うんだ。アイスマンがマーベリックに近づいて──
(ここで相手も察したのか、一気にテンション上がる二人)
二人:"俺のケツに付いて来い!(Man,you can ride my tail!)ずっとな!"
二人:で、マーベリックは何て言う!
二人:"お前が俺のケツに付け!(You can ride mine!)"
二人:剣と剣の勝負だぜ!チャンバラだ!チャンバラだ!
(二人、テンションMAX。互いのおちんちんでチャンバラをしつつ、盛り上がった所で" Fuckin' A, man!"イエーーー!な感じでハイタッチ。どうやら意気投合したバカ二人)
つうわけでこの映画、映画としては非常につまらないんですけど、ラストにあるこの小話が好きなんです。つうかこのシーン以外は見る価値ないかもしれません。
で、なんか突然この話を思い出して見たくなったわけなんですけど、意外とコレ、知られてないみたいなので、ビデオを見つつメモしてご紹介。
ちなみに補足ですが、実際の『トップガン』ではラストにこんな事言ってません。元となったと思われるのはこの台詞。
アイスマン "You can be my wingman any time"
マーベリック "Bullshit! You can be mine"
"wingman"は僚機とか、そんな意味合いですんで、ここでは「いつでも俺の二番機になれるよ」「ふざけんな。それはこっちのセリフだ」みたいな感じだになるかと思います。
この映画、タランティーノはここだけしか出てないんですが、面白いので興味があったら是非ビデオかDVDで本物見て下さい。
投稿: 仲間由紀恵@6年計画 | 2007年12月 7日 (金) 15時52分
>仲間先輩
すごい! お見事! 最高! スクリプトまで載せていただいて恐縮です。先輩のケツについて行きます。
この場面、YouTube にもありましたね! 久しぶりに腹を抱えてわろたです。
▼ オリジナルフィルム
→ http://www.youtube.com/watch?v=JW9YutYlUHo
▼ ちょっと作ったヤツ
→ http://www.youtube.com/watch?v=9lTRFWve0Rc
▼ ちょっと作り過ぎたヤツ
→ http://www.youtube.com/watch?v=xHklGtW3rwU
投稿: 畑仲哲雄 | 2007年12月 7日 (金) 19時48分
全部コピペですよ。
チャンバラってマネだけじゃんね。
投稿: 仲間由紀恵@6年計画 | 2007年12月16日 (日) 12時12分
>仲間先輩
うはは。でも、うまい!
投稿: 畑仲哲雄 | 2007年12月16日 (日) 16時06分