勇ましすぎる「インターナショナル」
同居人が友人からもらったCDのなかに、なんと「インターナショナル」が収録されていて驚いた。インディーズ系の骨太ロックバンドのようで、音楽のジャンルは違えども岡林信康など関西フォークの精神を継承しているのかもしれない。ロック調ではなく、正調の「インターナショナル」が無性に聴きたくなって、労働歌を集めたCDを購入した。いま労働運動をしている人たちの何割が、この歌をそらで歌えるだろう。
アンサンブル・ヴェルソーほか『がんばろう!!決定盤 日本の労働歌ベスト』(キング、2001)
ソウル・フラワー・ユニオン『GHOST HITS 95~99』(キューンレコード、2001)
ウォーレン・ベイティ監督・主演 『レッズ』 (Reds, 米, 1981)
労働者階級のなかで育ったせいもあるのだろうし、バリバリ日教組の先生たちから薫陶?を受けたせいもあるのだろう。子供時分わたしの周囲にはマルクス主義に傾倒する人がすくなからずいた。少年時代のわたしには、マルクス主義は小難しい政治理論ではなく、労働者の暮らしを守る運動そのものに思えた。新興宗教の共同体のなかで大人になる少年少女もいたが、共産主義や社会主義に傾倒する少年少女たちも少なからずいたものだ。
映画『レッズ』のなかで、ロシア革命を目撃した米国人ジャーナリスト、ジョン・リードが、労働者たちの唱う「インターナショナル」に感動する場面があり、観る者も胸を打たれる。この映画、ソ連を礼賛する映画では決してなく、むしろ「前衛党」の問題をしっかり批判している点で、素晴らしい。それにしても「インターナショナル」を合唱する場面はいまも瞼に焼き付いているからふしぎだ。
もしカラオケに収録されていれば、なにかのときに合唱してみたい。でも、わたしの周囲の人たちは、だーれも知らないだろうな、この歌。それに、初めてこの歌を聴いた人からは、サビの部分「いざ戦わん、いざ、奮い立て、いざ」とか、「聞け、我らが雄叫び」や「屍(かばね)ゆるわが旗」などの歌詞にドン引きされるだろう。きっと軍歌よりもはるかに勇ましいのだから。
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コメント
L’internationalで、フランス語でもありましたよね〜。
どんな歌でしたっけ?知っていたのに思い出せない。
探してみます。無性に聞きたくなりました。
投稿: mine | 2007年11月21日 (水) 12時45分
>mineさん
こんばんは!例のギョロッケ、先日いただきました。三丁目の夕日的な味がしました(^^)
さてさて、インターナショナルは、もともとフランスの歌。以下のサイトに、いろんな国のバージョンがあります。リンク切れも多数ありますが。
▼インターナショナル諸々バージョン
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/3684/kaihou/inter.htm
投稿: 畑仲哲雄 | 2007年11月21日 (水) 22時14分