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2008年2月 7日 (木)

やったね!人文の知

Chiki_book
こういうのを、才気ばしった若手の好著というのだろう。荻上チキの『ウェブ炎上』は、インターネット以後の世界を生きるわれわれが直面するさまざまな問題を、メディア論とテクスト論によって解読する教養書である。社会学、現代思想、哲学、政治思想、法学、社会心理学…… 「炎上」という現象を斬るため人文の知をフル動員しましたという内容に舌を巻く。

荻上チキ(2007)『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』ちくま新書

「サイバーカスケードを分析する」と題した第二章は、これからサイバースペースの社会情報学を学ぼうという学生にとって、とても分かりやすく大いに参考になるだろう。また「ウェブ社会の新たな問題」と題した第三章はマスメディア関係者なら読んでおいて損はない。サイバーカスケードには功罪があるが、いつも負の側面ばかりを強調してきた責任の一端はマスメディアにもあるだろうし、あらためてイラク人質事件を振り返り省察するきっかけにもなる。

はてさて、この「チキ」なる珍妙な名前の持ち主は何者ぞ、と著者プロフィールを見ると、なんと、ルーマン・ゼミを一緒に履修したり、学士会横のビアガーデンで雑談を交わしたことのある彼だった。(いまさらながらですが、出版しておめでとう ! ! !)。

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コメント

 わたしも読みました。すごい実践力だなあと思ったものです。

 どういうわけか読みながら筆者が女性だと思っていました。「チキ」って中性だと思うのですが、ナンデダロ。

投稿: schmidt | 2008年2月 8日 (金) 12時28分

>schmidtさま
 さすが、すでにお読みになっていたのですね。またしても先を越されてしまった。
 チキさんは一部で「イケメン」なんて言われているようですね。です・ます調のやさしい語り口は女性の印象を抱かせます。
 そういえば、河内孝さんの『新聞社』(新潮新書)や小田光康さんの『パブリック・ジャーナリスト宣言。』(朝日新書)なども、です・ます調でしたっけ。
 

投稿: 畑仲哲雄 | 2008年2月 8日 (金) 20時02分

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