国士舘は負けちゃいけない
北京五輪男子柔道100キロ超級で優勝したのは国士舘だった。インタビューで、石井慧選手は金メダルを手に「『国士舘は負けちゃいけない』というのが、教えだったので。決勝が自分の柔道です」と話し、それを聞いた篠原が「石井はあまりしゃべらんほうがいい」とツッコミを入れた。そんな漫才みたいな応酬を聞いていて、ふと、韓東賢さんの論文を思い出した。
韓東賢 (2008) 「社会関係と身体的コミュニケーション~朝鮮学校のケンカ文化から」 『思想地図 Vol.1』 NHKブックス 別巻
JNN http://www.rkb.ne.jp/jnn_news/media/DT20080815_215107/3925218.html
産経新聞 http://sankei.jp.msn.com/sports/martialarts/080815/mrt0808152057010-n1.htm
ロイター http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-33285020080815
大阪生まれの私には、朝鮮高校と国士舘のケンカがどれほど壮絶であったか知らないのだが、似たようなケンカの風土が渦巻くエリアがすぐ近くにあったので、どこか胸の奥がヒリヒリする。勝つことと生きることが等号で結ばれる。わたし自身はケンカまみれの青春を送ったわけではないが、高校生のころ高級住宅地のボンボンたちから「あんなところで育ったん? こわ~」などと言われるうちに、「そーか、こういう階層のやつらに負けたらアカンのやな」という怒りが沸いていたことを思い出すのわけです。
話が横道にそれたが、ハンさんの論文はおもしろいので、国士舘の人にも読んでもらいたい。
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コメント
高校生の頃に沸いた感情・・・同じくです(苦笑)
私は区内の某女子校へ入学早々先生達にも言われたもの、良くあの中学からうちにきたねって。事あるごとに下に見られるあの感覚、たまらんかったよ。
あんたたち何様ですか?って思いだしたのは確かにあの頃からやねぇ。
関西人inTokyoおもしろかったです。スティングもびっくり!やね。笑
投稿: かのう@mo_no | 2008年8月16日 (土) 19時10分
>かのう@mo_noさん
>見られるあの感覚、たまらんかったよ。
うはは、みんな一緒やね。
貧民街の子、みたいな見下げられ方をしたら、誰だってスネますよね。
そういえば、中学の先輩のなかに、革命家として死んだ人もいましたっけ。
投稿: 畑仲哲雄 | 2008年8月16日 (土) 20時04分
ご紹介ありがとうございます!
ちょうど実家に帰っていたのですが、やはりうちの兄(ちょうど論文でインタビューした人たちと同世代)も、石井の発言に素早く反応しておりました(笑)。
私も、(元)国士舘生の感想も聞いてみたいと思っております(接触する予定)。
投稿: ハン | 2008年8月19日 (火) 01時10分
>ハンさん
お久しぶりです。
そうですか、兄上も反応されていましたか! 濃ゆいですね(^^;
投稿: 畑仲哲雄 | 2008年8月19日 (火) 23時24分