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2008年9月29日 (月)

イデオロギーあれこれ(備忘録)

Ideolgoyteeshirtイデオロギーというと、冷戦下の米ソ対立や、左翼思想などが連想されたり、人々を動員する悪魔的な虚構のように見られがちだ。この語を口に出すと、「あんた、なんか悪いことやってんの?」などと、あやしい政治活動をしている者のように敬遠されることもある。しかし、歴史を振り返り、あらためて今のわたしたちの世界を見つめ直すと、いたるところにイデオロギーが在ることがわかる。というか、わたしたちはイデオロギーのなかで生活していて、脱イデオロギーというのもひとつのイデオロギーといえるかもしれない。

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2008年9月27日 (土)

中途半端で嫌な人間

学外で人と議論していて、話題がじぶんの研究領域に及ぶと、意識しないうちに専門語を使ってしまうことがたまにある。いや、よくあるらしい。「ワケのわからない言葉を使うな!」と叱ってくれる人もいるが、たいていの場合は嫌な思いをさせているはずだ。なんて嫌な人間なのだろう。社会人大学院生になる前のわたしが、好人物であったとは思えないので、〈嫌な人間〉の度合いは上昇しているに違いない。わたしが大嫌いな老害評論家はラジオ番組で民主党の政治家たちを「大学院の学生みたいなもんで、中途半端!」とこき下ろしていたが、そんな中途半端な大学院生が、学外で得意になって学術語を振りかざすという図は、どこから見てもみっともない。

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2008年9月25日 (木)

ガッテン!秩序と専制のトゥリアーデ(備忘録)

Tatuo_jiyuron研究者の世界だけで流通する学術書のコトバは、日常のそれからほど遠い。専門用語やわけの分からない引用元や注などの記号、虚仮おどしのしかつめらしい表現が続き、ヘタくそな文章も珍しくない。ただ、学者のなかには、入門書や啓蒙書を易しい文章で書く能力とサービス精神をもつ人もいる。ある基礎ゼミでK先生が「古典は干物。乾燥して食べるのに苦労するが、噛めば味が出てくる。甘いお菓子のような本よりも、堅い干物を咀嚼する力をつけよ」と(甘い声で)話していたが、今回読んだ本はお菓子ふうパッケージのくせに栄養価が高かった。

井上達夫 (2008) 『自由論-哲学塾』 岩波書店,双書哲学塾

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2008年9月22日 (月)

レジュメに使う記号

他人様のレジュメを拝見したとき、もっとも違和感を覚えるのが記号である。さりげなく中高の数学や論理学の記号が正確に使われていて、あとで調べて「そうか、こうやって使うのか」と教えられることがたびたびある。しかし、わたし自身が、「」や「」や「」や「ココ→」「…」「!?」などを好き勝手に(かなり気分で)使っているので、わたしのレジュメを見た人たちは内心「やめてくれよ~」と思っているはずだ。せっかくなので、ちょっと整理しておきたい。

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2008年9月19日 (金)

野郎も楽しめる3部作

Volver_poster_2Talk_to_her_english_movie_poster_faAll_about_my_motherようやく『ボルベール<帰郷>』を観て、アルモドバル監督の「女性賛歌三部作」を観賞し終えた。エンターテインメントとしては一級品だし、ジェンダーとセックスを考えるうえで示唆に富む。ただ、「女性賛歌」と言ってしまうと、それだけで敬遠する人もいるだろう。マッチョ野郎にも楽しめるはず。非対称な男女関係をことさら強調したり転倒させたり、といった荒技は見ものです。

ペドロ・アルモドバル監督・製作 『オール・アバウト・マイ・マザー』 (英題: ”All About My Mother”, 原題: “Todo Sobre Mi Madre”, スペイン, 1999)
ペドロ・アルモドバル監督・脚本 『トーク・トゥ・ハー』 (英題: ”Talk to Her”, 原題: “Hable con Ella”, スペイン, 2002)
ペドロ・アルモドバル監督・脚本 『ボルベール<帰郷>』 (英題: ” Volver”, 原題: “Volver”, スペイン, 2006)

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2008年9月15日 (月)

オリンピックより阪神タイガース

Ronza9696いつかこんなタイトルの論文を書いてみたいと思う。これは、柄谷行人さんと山口二郎さん、中村岳志さんによる『論座』最終号の鼎談にあった中見出し。3先生とも、ナショナリズムを高揚させる北京五輪よりも、阪神球団を核にした人と人とのつながりを好むという立場のようだけど、コミュニタリアンとは違っていてアソシエーショニズムの再評価のような気がした。わたしも東京でもう一度タイガースを応援してみてもいいような気がする。


座談会「現状に切り込むための「足場」を再構築せよ」 柄谷行人、山口二郎、中村岳志 『論座』 08年10月号

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2008年9月10日 (水)

袋が痛い漢方湯

訪問先の土地々々で、いろんなホテルに泊まる。最近はインターネットのLAN環境が完備されたホテルが増えてうれしい限りなのだが、風呂に関してはいつも不満が残る(熱いお湯を張って浸かろうという気が起こらない。便器つめているとゲンナリする)。ネット環境を重視するか、体の疲れを取ることを重視するか。今回は後者にした。

サウナ 大浴場付 漢方温泉ホテル元気人

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2008年9月 9日 (火)

ミハルコフ『12人の怒れる男』は法より慈悲

12wa6ヘンリー・フォンダが『十二人の怒れる男』(原題:”12 Angry Men”)を世に送り出してから半世紀。ロシアのニキータ・ミハルコフがロシア版の『12人の怒れる男』(原題:”12”)を製作した。舞台は21世紀のロシア。戦火を逃れてきたチェチェン少年がロシア人の養父を殺害したとして起訴される。今日的な素材を扱いながらも12人の陪審員が討議の後、合意に至る点はオリジナルと同じだが、底流に流れるのは〈ロシア的なるものの再興〉のように思えた。

ニキータ・ミハルコフ監督 『12人の怒れる男』 (原題:”12”、2007、ロシア)

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2008年9月 6日 (土)

自由の制約<犯罪の防止?

Shimabara_police
元公安委員長の白川勝彦さんが職務質問に遭った顛末をウェブサイトで紹介している。ひとつは2004年11月のできごとを記した忍び寄る警察国家の影、もうひとつは2006年12月22日に掲載された「またまた職務質問に!」である。いずれのケースも東京・渋谷警察署の地域課職員による圧迫的な内容。2度目のケースで白川氏が職質の理由をただしたところ、警官の1人は「これでけっこう犯罪が見つかるんですよ」と自信たっぷりに答えたという。このところ、わたしのブログが「職質」で検索されることも多い。とりわけ秋葉原事件以降、アキバをはじめ新宿、渋谷など各地で強引で悪質な職質が横行しているようだ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たると言わんばかりの手当たり次第の職質は、市民的自由の侵害にほかならない。真面目な警察官もいると信じたいが、法知識のない若者やヲタク男性をいじめてストレスを発散させている不届き者もいることは、YouTubeにアップロードされた動画などから想像できる。

リベラリスト 白川勝彦の 「永田町徒然草 またまた職務質問に!」
渋谷ドキュメンタリー24時(19) ~ 逮捕から職質まで ~ on YouTube
職務質問@秋葉原中央通り 02 on YouTube
職務質問競技会(2007/09/04放送) on YouTube 

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2008年9月 2日 (火)

「他人事」を嗤う「観客」

リベラル・デモクラシーやら、デリベラティブ・デモクラシーに関する文献を読み返し、『論座』で川出良枝先生が書かれた「砂のように孤立化していく個人をどう救うか/デモクラシーと集団を考える」などを味わっていたところへ、福田首相が退陣会見で記者の質問に逆切れする場面を見せつけられ、ゲンナリした。「わたしは自分自身を客観的に見ることはできる。あなたとは違う」という最後の言葉は、質問した記者だけではなく、福田のこれまでの言動について「他人事のように聞こえる」という印象を抱いている国民に対して浴びせかけられたと思う。

田村哲樹 (2008) 『熟議の理由-民主主義の政治理論』 勁草書房
川出良枝 (2008) 「砂のように孤立化していく個人をどう救うか」『論座』10月,通巻161、pp.20-26

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