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2009年1月24日 (土)

今週のいただきもの『隷属への道』

Hayek恥ずかしながら、ハイエクはまだ読んだことがなく、断片的な知識しか持ち合わせていない。 a spontaneous order (自生的秩序) として市場がもつ公共性を強調し、M.フリードマン以降の新自由主義の源流となったというような俗説しか知らなかった。むろん、そんな単純ではなく、ハイエクは誤解されている。自由とデモクラシーを考えるうえで避けて通ることができない巨人であることは疑いようもない。春休みを機会ととらえ読んでみたい。パラパラ眺めただけだが、もともとハイエクの原著が平明な文章なのか読みやすそう。(冬学期に読んだハーバーマス『事実性と妥当性』に比べれば、どんな本でもすらすら読める自信が持てる)。ちなみに、この本は大学院の後輩が全集を編集していて献本してくれました。ありがとう、いい薬です(ただしアタマの)。

F.A.ハイエク (2008) 西山千明訳 『隷属への道 ハイエク全集 I-別巻 新版 新装版』 春秋社

批判をするにせよ、擁護するにせよ、やはり読んでおかなければならない基本書というものが驚くほどたくさんあり、大学から遠ざかっていた二十数年を埋めようとすると気が遠くなる。「え?、こんなのだれだって読んでるもんだと思ってましたよ」などと言われ、これまでどれほど恥ずかしい思いをしてきただろう。ま、それはこれからも続くのだけど。

目次
見捨てられた道
偉大なユートピア
個人主義と集産主義
計画の「不可避性」
計画化と民主主義
計画化と「法の支配」
経済統制と全体主義
誰が、誰を?
保障と自由
なぜ最悪の者が指導者となるのか
真実の終わり
ナチズムの基礎としての社会主義
われわれの中の全体主義者
物質的条件と道徳的理想
国際秩序の今後の展望

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