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2009年2月10日 (火)

『つぶより花舞台』に大喝采

Kanjuku還暦(60歳)を過ぎた役者で構成する劇団「かんじゅく座」のドキュメンタリー映画『つぶより花舞台』(鯨エマ監督、2008)には感心した。役者のほとんどが演劇経験がないふつうの人たち。最高齢は69歳。舞台俳優が夢だったという元教師、元銀行員、元会計士、長年介護した母をなくして喪失感に陥っていた女性…… さまざまな背景をもつ14人が、舞台に立つまでの7ヶ月間をインタビューまじえて構成した人間ドラマ。いつも顔をあわせている職場のOBが役者のひとりだからという個人的な理由を超え、本作に関わった人すべてに喝采をおくりたい。

鯨エマ監督 『つぶより花舞台』( 英題: Life is a Stage 、配給:鯨エンターテインメント、自主制作、2008)
鯨エマ|鯨エンタテイメント
YouTube - 鯨エマ「つぶより花舞台」予告編

映画のなかで、鯨エマ監督が「かんじゅく座」主宰者で、60歳以上の演劇未経験者を募集していたことが明かされる。『朝日新聞』が役者募集の記事を書き、高齢者が一人、また一人と連絡してくる。人生の大先輩たちが「あいうえお」の発声や身体表現のイロハからつまずきながら学び、役者になっていく。ときに30代半ばの鯨エマさんから叱られるが、演出をめぐって巻き起こる議論から、鯨エマさんもたくさんのことを学んでいるのだろうと想像できる。

この映画を見て、あらためてプロ/アマの区別が無意味に思えてきた。芝居ではないが、近年わたしが観たなかで『リダクテッド』(デパルマ監督)や、『イン・ディス・ワールド』(ウィンターボトム監督)、『コーカサスの虜』(ボドロフ監督)、そして『シティ・オブ・ゴッド』(メイレレス監督)などでは、新人という名の素人が積極的に登用されている。同居人にそんな話をすると、是枝裕和監督『誰も知らない』や、河瀬直美監督も地元のふつうの人を起用した作品を撮っていると指摘した。なるほど、そのとおりだ。

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コメント

 ごめんなさい。「誰も知らない」は、ちょっとちがう系統でしたね。何かと混ざったみたい。

投稿: Kunie | 2009年2月14日 (土) 09時19分

>Kunieさん
 はい。『誰も知らない』は系統が違いましたね。
 余談ですが、メル・ギブソン監督『アポカリプト』も、有名俳優ゼロで、多くは現地調達した素人だったそうです。
 ま、名優だけが映画を支えているわけではない、ということですね。

投稿: 畑仲哲雄 | 2009年2月14日 (土) 11時00分

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