映画の中の確率クイズ
ただし、この問題、よく考えればわたしの脳みそでもぼんやり分かった。挑戦者が最初に扉を選んだ時点では、高級新車が当たる確率はどの扉も1/3。しかし、司会者がハズレの扉を1つ開けてしまう。挑戦者が最初に選んだ扉が当たる確率は1/3のままだが、司会者が残りの2/3のうち、1つを開けたため、確率を考える条件が大きく変化してしまったのだ。
3つの扉のうち、挑戦者が最初に指さした扉をAとする。司会者が開けなかった扉をB、開けたハズレの扉をCとする。残る扉はAとBの2つ。どちらの扉も、確率が1/3から1/2になったと思ったら大間違い。司会者は正解を知っていて、わざとハズレのC扉を開いたと考えられる。つまり、ここで新たな条件が付け加わったわけだ。
(1) 挑戦者が最初に指さしたAが当たりだったら、司会者はBまたはCのどちらか1つを開く。挑戦者の立場からすると、最初に選んだAが当たる確率は1/3だが、司会者がC扉を開けたので、Bが当たりの確率は上昇するような気がするが、よくわからない…。
(2) もし挑戦者が最初に指したAがハズレだったら、司会者は残された2つの扉(1つは当たり、もう1つはハズレ)のうち、必ずハズレのドアを開いて見せなければならない。司会者はCを開いた。つまり、司会者が開けなかったBが当たりの確率は100%になる。
司会者からニヤニヤしながら、「最初に選んだ扉のままにする?それとも別の扉にする?」と問いかけてきたとき、「別の扉に変えます」などと答えると、優柔不断なヤツと思われるかもしれないけれど、確率の高いほうに賭けるのは賢い選択となる。クイズショウとしても、司会者のゆさぶりに乗せられて、挑戦者が方針を変えるほうが、ドラマ性が高まっておもしろい。
数学は苦手だったが、確率クイズは面白いと思う。ちなみに、この問題はモンティ・ホール問題とよばれる有名なクイズらしい。この映画は実話をもとにしたストーリーだそうだが、町山さんによれば、主人公たちはアジアからの留学生たちで、映画の主人公のように白人でははないという。本当だとしたらひどい話。
| 固定リンク
「cinema」カテゴリの記事
- 2020年に観た映画とドラマ(備忘録)(2020.12.29)
- 議論を誘発する『赤い闇 スターリンの冷たい大地で』(2020.08.20)
- 3・19 那覇で新刊トークイベント(2020.02.21)
- 「華氏119」が描く大手メディアの欠陥(2018.11.03)
- 映画『否定と肯定』にみる大衆のメディア(2018.03.12)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント