今宵、新聞社とNPOの「協働」を考えるつどい
10月7日(水)夜、本郷キャンパス工学部2号館9階93教室で、公開講座「メディア研究のつどい」(電通コミュニケーション・ダイナミクス寄付講座)を開催します。今回のテーマは「新聞社×NPO~『協働』の可能性」です。
新潟県上越市の地域新聞社が10年にわたって紙面の一部をNPOに無償開放し、NPOが紙面を通じて市民活動をサポートしています。この「協働」を続けて以降、新聞社は部数が増えたと話し、NPOも域内の市民活動が活発になった説明しています。
今回の「メディア研究のつどい」では、この実践を続けてきた新聞社の編集局長とNPO理事長の2人を講師に招き、新聞社とNPOの「協働」について話を聞き、議論します。参加費無料です。ふるってご参加ください。
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主題: 新聞社×NPO~『協働』の可能性
日時: 2009年10月7日(水)18:30-20:30(開場18時00分)
会場: 東京大学 本郷キャンパス 工学部2号館 9階93教室(目印はSUBWAYです)
講師: 上越タイムス社編集局長・山田護さん
くびき野NPOサポートセンター理事長・秋山三枝子さん
企画: 東京大学大学院学際情報学府博士課程 畑仲哲雄(林香里研究室)
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地図つきチラシをダウンロード→ PDF file
■プログラム
18:30 司会者による背景説明(約10分間)
18:40 上越タイムス・山田編集局長講演 (約30分間)
19:10 くびき野サポートセンター・秋山理事長講演(約30分間)
19:40 質疑応答
20:30 閉会
■開催主旨:
ここ数年、米国では名門新聞の休廃刊が相次ぎ、日本でも大手新聞社が赤字決算を発表したり、夕刊を廃止したりするなど、新聞業界は逆風下にあると言って いいでしょう。一方、インターネットの各種サイトが広告媒体としての価値を高め、マス4媒体(新聞・テレビ・雑誌・ラジオ)の収益構造を大きく揺さぶっていると伝えられています。
業界全体が悲鳴を上げるなか、NPOとの協働に活路を見出し、部数を伸ばしている新聞社があります。「協働」の中身は、全20ページの月曜版のうち4ページを、地元NPOに完全に委ねたことです。NPO側がどのような記事を掲載しようとも、新聞社は一切口出しせず、ときにリスクを背負いながら掲載し続けています。紙面作りをしているNPOは、域内のNPOの設立支援をするなど取りまとめ役となっている中間支援組織で、取材から執筆、紙面レイアウト、組版まで、すべて独力でおこなっています。記事はおもにNPOスタッフが執筆し、必要に応じて域内のNPO関係者にも執筆を依頼しています。
上越地方は、「平成の大合併」で全国最多の14市町村が合併したことで有名なところです。中山間地が広がり、過疎や限界集落、高齢化など日本の難問を考えるうえで“最先端”の材料がそろっているといえます。そんな上越で、新聞社とNPOが選んだのが「協働」でした。
上越の実践者の話を聞きながら、新聞社や市民社会の未来について理解を深めたいと思います。
■お問い合わせ
メディア研究のつどい事務局 iii.media.studies★gmail.com (★を@に書き換えてください)
担当: 畑仲哲雄
今回招聘する講師の地元である上越地域は以下のような地域です。
• 面積 約973km²
• 人口 約20万人
• 世帯 約7万世帯
• 地方区分 中部、北陸、甲信越
• 特徴 豪雪、米作、中山間地、05年に全国最多の14市町村が合併、12年に北陸新幹線開通予定
• 課題 高齢化、若年層流出、過疎、市名と新幹線名の混同
■リンク
上越タイムス http://www.j-times.jp/
くびき野NPOサポートセンター http://www.kubikino-npo.jp/
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