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2009年10月 8日 (木)

Oral Presentasion in English (備忘録)

東京大学大学院情報学環福武ホールで10月1日、「Danish- Japanese Digital Media & Journalism Workshop」が開催され、指導教員と副指導教員の強い勧めに 屈し 従い、英語の口頭発表に挑戦した。聴いてくれたのは、デンマークのジャーナリズムスクールで学ぶ約20人の現役ジャーナリストたち。ほとんどが 40~50代で、わたしと同年代か少し上の世代。熱心に耳を傾けてもらった。また、なによりも、わたしの下手な英語原稿に目を通し、適切な英語に直してくれたオーストラリアからの留学生には本当に世話になった。ありがとね(こんど、高級居酒屋でチューハイと一品をご馳走します)。

Danish School of Media and Journalism

デンマークでは3つあったジャーナリズム・スクールが1つに合併されたばかりで、学士、修士、博士の各コースーで計3000人以上が学んでいるという。中間教育も盛んで、近隣国からの入学もあり、国外に提携大学も少なくない。そういえば、大学で教える某フリージャーナリストが「ジャーナリストとプロ研究者の間には、かるい軽蔑がある」などと話していたのを耳にしたことがあるが、デンマークではそういう不幸な関係はなさそうだ(あれは日本だけの現象なのだろうか)。教育内容は、実務的なものも多く、どちらかといえば研究者養成を主眼にする伝統のある学環・学府とは性格を異にする。

次回に備えて(反省を込めて)、英語発表の要諦を記しておく。
(1) 日本で書いた原稿を英訳するなどということはせず、最初から英語で書くこと。最初に日本語で書くと、行間にこめられた微妙な意味が英語にできないことがある。
(2) しょせんノン・ネイティブの英語はヘンに決まっているので、ネイティブ・チェックしてもらうべし。いまの私のレベルでは、ネイティブ・チェックを得られない場合は辞退するべきだろうと考えている。
(3) 発表のスタイルを守ること。簡単な自己紹介の後、発表するテーマとその概要を示し、first, second, third…と順序よく内容を説明する。パラグラフ・ライティングができれば、それほど問題はない。わたしの発表は大きく分けて3つのパートから成る、などと明言すると、原稿を作る際も頭の中もすっきりする。
(4) 学術英語に特有な言い回しや表現をさりげなく使うこと。You knowなどのソレっぽい表現を差しはさむのは禁物。Butじゃなくhoweverにするとか、things like~ではなくthings such as ~にするとか。
(5) 冒頭または締めくくりの箇所で笑いが取れれば、とりあえず成功。笑われるのではなく。笑わせてあげる。発表の中身と同じく、ユニバーサルなネタを盛り込むべし。「ニクラスでーす」「ユルゲンでーす」「2人合わせて、難解キャンディーズでーす」などと言っても通じない、たぶん。

母国語以外で発表することで、少なからぬ効用を得られる。副指導教員からもコメントをいただいたが、研究のフォルムが明確になる。つたない言葉で研究内容をまとめていくと、結果的に母国語ではごまかすことができる部分がなくなり、骨格があらわになる。なので、ちゃんと勉強するようになり、結果的に自分のためになる。

1回や2回でエラそうなことは言えないけれど、いい経験をさせてもらい感謝します。

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コメント

私が院生さんとかに勧めているのは、下記の方法です。参考になれば幸いです。(私は、しゃべるのはサッパリの人間であるうえ、自分では英語での発表は、ほとんどしませんので、念のため。)

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TTS(読み上げ)ソフトに有料の英語音声エンジンを載せたものを用意しておいて、ともかく、それに自分がはなそうとする程度のスピードでしゃべらせてみて、時間をはかる。→原稿をばさっと手直しする。→原稿を整えたら、TTSに読ませたり、自分で音読したりしながら、ロジックを追う。→適宜直す。

次に、実際の発表速度より相当速い速度でしゃべらせて、まず、その速度についていく練習をする。(1.5倍くらいにしちゃうわけですから、しんどいです。最初は、声がでなくって、かすれたような声になりますが、それでもオッケーです。その段階で、どんどん、アレレの気づきがあるはず。こうしていると、どうしても発想が英語になってきますから。)

各パーツの発音の発音のチェックとともに、口のついていかない部分を口のついていく表現に変更する。(ただし、TTSソフトの発音は、あてにならない部分もあるので、テクニカルタームは、専門辞書で発音記号または音声でチェックのこと)

ともかく、そのスピードでしゃべれるようにする。

TTSソフトなしに、自分なりの抑揚やポーズを入れてしゃべってみて時間をチェックする。その結果に応じて原稿を変更する。

あとは練習(どこで、どうPPTを指さすか等も含めて)
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ネイティブチェック、受けられればいいんですが……(上記のあとで受けると効果がありそうです。)

※原稿は日本語で書いてよし(どうせ英語にしたり、しゃべってみたりすれば、全部やりなおしになるんだから。英語側では、英語だけで発想すること)。→英語で直したら、その部分は日本語も直す→英日対応原稿ができるので、次に、同じ内容を、日本語でプレゼンテーションするときに役にたつ(実は、それ以上に、日本語の原稿の不明瞭だった点が明らかになるので、日本語の文章執筆訓練になる)。上記ステップの最初の方は、慣れれば削れるはずとは思いますが。

投稿: Sakino | 2009年10月 8日 (木) 13時11分

>Sakinoさん

丁寧なコメントをありがとうございます。なるほど、有料の英語音声エンジンですか。
じつは、わたしも英語読み上げソフト「expressivo」というのを購入して、時間配分をしたり、苦手なフレーズの発音をシャドウイングしたりしました(まあ、ロボット音声でシャドウイングしても、ロボット化するだけですが…)。

「1.5倍くらいにしちゃう」というのは、「なるほど!」的な使用法ですね。次の機会に試してみます。

>原稿は日本語で書いてよし(どうせ英語にしたり、しゃべってみたりすれば、全部やりなおしになるんだから。

たしかに(爆)。英語でいきなり書き始めたつもりでも、日本語脳で書いているのですがからね。とどのつまり、最後は総合的なコミュニケーションのスキル、ということになりますね。

投稿: 畑仲哲雄 | 2009年10月 9日 (金) 08時38分

読み上げの音の質は、読み上げソフトでなく、音声エンジンの方の質の問題なので、そこは、お金のかけどころかと(といっても、そんなに高いわけじゃないのですよ)。かなりいけます。

投稿: Sakino | 2009年10月 9日 (金) 17時48分

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