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2010年2月27日 (土)

『山びこ学校』と生活綴方

Yama_iwanamiYama_movie生活綴方について、わたしは書物や資料でしか知らなかったが、教育映画『山びこ学校』を観ることで、その雰囲気がつかめたような気がした。山形県山元村(当時)の中学校に赴任した20代の無着成恭(木村功)は、生徒たちの前では快活な教師だが、家庭内では悩み多き若者として描かれる。彼は目の前にある東北の前近代的な寒村の貧困を克服すべく奮闘する過程で、生活綴方を取り入れる。

今井正監督 『山びこ学校』 (八木プロ、1952)
無着成恭編 (1995) 『山びこ学校』 岩波文庫
無着成恭編 (1952) 『山びこ学校 : 山形県山元村中学校生徒の生活記録』 青銅社

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2010年2月24日 (水)

『蟻の兵隊』はスクープ映画

Arinoheitai約2600人の日本軍兵士が、終戦後も中国・山西省に残り、中国共産党軍と戦ったという、不可解な史実は、いまもそれほど多くの人に知られていないのではないか。歴史の闇に埋もれていたとこの事件を、ドキュメンタリー作家・池谷薫は、元兵士たちに寄り添い、彼らの証言を掘り起こし、世に問うた。2006年に公開され反響を呼んだこの作品を観たのは2010年になってから。なにを今さらかもしれないが、観てよかったと思う。

池谷薫監督 『蟻の兵隊』 (蓮ユニバース、2006)
映画『蟻の兵隊』公式サイト http://www.arinoheitai.com

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2010年2月22日 (月)

査読者とデスク

Researchmindマスメディアのニュースルームには(国や地域によって違いはあるが)「デスク」と呼ばれる人たちがいて、リポーターが書き殴った原稿を編集している。彼ら彼女らはニュース価値を判断し、論理的整合性や文法的な誤りをチェックし、ときに若いリポーターたちを指揮・指導する。学術誌も研究者が投稿した論文に対する査読(Peer Review)が行われる。デスクに相当する査読者(referee)は通常、匿名のため遠慮仮借のないコメントとともに突き返されることは珍しくない。わたしは2度レジェクトされ、先日ようやく再々提出にこぎつけた。(掲載は夏以降の予定です。新聞社とNPOに関心のある方は、読んでくださいね)

藤本隆宏・新宅純二郎・粕谷誠・高橋伸夫・阿部誠 (2005) 『リサーチ・マインド 経営学研究法』有斐閣アルマ

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2010年2月19日 (金)

受験と格差

Uenochiduko_2008Sato_toshiki2000受験勉強は決められた時間内に要領よく問題を解くための筋力トレーニングのようなものだ。試されるのは、教科ごとに「重要」とされるポイントを次々と記憶したり、解法を会得したりする能力であって、人柄や人徳ではない。スポーツと同じく、自己流でトレーニングするよりも、優秀なトレーナーの指導を受けるほうが効率的に成果を出せる。ただし、そのためには費用がかかる。受験は平等に能力を競う制度のように見えるが、じつは富裕層に有利な制度だということは、過去に多くの社会学者たちが暴いてきた。しかし、いっこうに改まらない。

佐藤俊樹 (2000) 『不平等社会日本―さよなら総中流』 中公新書
上野千鶴子 (2008) 『サヨナラ、学校化社会』 ちくま文庫

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2010年2月16日 (火)

鼎談・広告とはなにか

Tukuru201003思考停止していたのは媒体社だけではなかったということをあらためて教えられた。わたしは広告について無知だが、東海大の水島教授、早稲田BSの植田正也講師、評論家の正木鞆彦の鼎談には、教えられることが多かった。違和感が残る部分もあるが、茫洋とした印象論的な思考の渦に座標を設けてもらったようで気持ちがよい。

「「広告とはなにか」をあらためて問い直す時代」 『創』2010年3月, 通巻443, 56-65頁, 創出版

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2010年2月12日 (金)

引用と剽窃と立松さん(他山の石)

Tatematsu_5故立松和平さんの死亡記事や追悼記事をみていると、いまだに「引用」と「剽窃」の区別ができていない記述にお目にかかり当惑した。記事のなかで、「無断引用」という表現がプロ表現者によって使われているのは嘆かわしい。「引用」は本来無断で行う行為であり、「剽窃」とは別なる概念である。この2つの言葉がいまだに混同されるのは何故だろう。

すこし横道にそれるが、立松さんが盗作後に書き直した作品を高橋伴明さんが撮った『光の雨』は、劇中劇のスタイルを採っていて、ストレートな若松作品と見比べると面白い。

高橋伴明監督 『光の雨 連合赤軍事件』 (2001)

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2010年2月 6日 (土)

ATOKの未習得技

昨年、ATOK2009を衝動買いしたのに、もうATOK2010が発売された。日本語入力システムは今日ではIME ( Input Method Editor ) と略称されるが、その昔は FEP ( Front End Processor ) と呼ばれていた。わたしは1989年以来、ジャストシステムATOK愛好者で、気の利いたキメ台詞も恥ずかしい誤植もすべてATOKを使って生み出してきた。ただ、MS-IMEへの対抗上、私の知らないあいだにATOKも高機能化が進み、わたしが使っていない機能がてんこ盛りになっている。せっかくなので、言語バーのメニューをいじらなくてもできる技を備忘録として記しておく。ATOK2010はもっとすごくなっているかも。

ATOK 2010 for Windows アカデミック版
ATOK 2010 for Windows [プレミアム] 通常版
ATOK 2009 for Mac 通常版
5分でわかる!かしこいATOKの使い方。|ATOK.com
英語入力機能が強化された「ATOK 2009」を使う - 日経ビジネス Associe
ATOK即効テクニック

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