著者直筆のポップを探せ
面白いのは、この本の構成が、教科書ふう部分(説明編)と、ライトノベルふうの部分(ラノベ編)の2種類の記述から構成されていること。「合理的選択」という経済学の理論を、しっかり学びたい人は説明編を、一方、難しいことは避けつつなんとなくわかりたい人はラノベ編を、それぞれ読むのが合理的な選択となるのかな?
帯の言葉は「大体なんでぼくらは選挙に行かなきゃならないのか?その理由を経済学で分析するって?そんなことできるわけ・・・・・・あるかも!そうだ、『合理的選択論』を勉強してみよう。」という、なんだか脱力しているのは、著者と編集者の性格なのだろう。出版社のために、ちょいPRでした。
ちなみに、わたしはアメリカ流政治学には疎い(正確には「にも疎い」)のだけど、21世紀がペレストロイカから始まったという学会楽屋話は興味深く読んだ。ペレストロイカとは、旧ソ連のアレではなく、米政治学会に、ゲーム理論と統計学ですべてモデル化して理解できると思うなよ、と毒づいた人物のペンネーム。Political Science系が幅をきかせる世の中に、Political Theory系は肩身が狭いのだろう。
ちなみに、小田中さんはスコッチポルも訳している。幅の広い人だな。http://www.bk1.jp/product/01235728
| 固定リンク
「economics」カテゴリの記事
- 「市民社会」がかつて含意したもの(備忘録)(2011.02.21)
- 著者直筆のポップを探せ(2010.03.23)
- 公民的徳性と一般的互酬性(備忘録)(2010.03.08)
- 恐怖する「勝ち組」(2009.10.15)
- 統制と自由/不平等と平等(備忘録)(2009.04.03)
「books」カテゴリの記事
- 2020年に観た映画とドラマ(備忘録)(2020.12.29)
- 新聞書評『沖縄で新聞記者になる』(2020.05.19)
- 『沖縄で新聞記者になる』トークライブ@那覇(2020.03.23)
- 『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』ワークショップ@新聞労連JTC(2020.03.22)
- 『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』重版出来!(2019.11.29)
「publishing」カテゴリの記事
- 『沖縄で新聞記者になる』トークライブ@那覇(2020.03.23)
- 3・19 那覇で新刊トークイベント(2020.02.21)
- 『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』重版出来!(2019.11.29)
- ジャーナリズムに地域主義を(2018.04.09)
- 『地域ジャーナリズム』 よろしくお願いします(2014.12.22)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント