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2010年5月22日 (土)

「正義」の話をしよう、スパイダーマン君

Spidermanハーバード大学で1000人を超える受講生を集めるサンデル教授の授業が公共放送で放映されているが、先般、目を疑った。アメコミのヒーローがサンデル先生の話に熱心に耳を傾けているのだ。先生が、イマヌエル・カントが自律性/他律性などの概念を用いて、人間固有の理性や尊厳について 論じながら功利主義を批判したことを講じていた。そのとき、画面のなかに赤いコスチュームがチラっと映った。たしかにスパイダーマンだ。サンデル先生が笑いをこらえているように見えた理由が少しわかかった。

Sandel_spidermanサンデル教授 「哲学と聞いただけで¨難しそう¨なんて思わないで」
スパイダーマン 「頑張って勉強します」
サ 「哲学は身近な疑問から入っていけるんだ」
ス 「それはいい!」
サ 「さて、3人の命を救うために、1人を殺すことは、正義にかなっているか?」
ス 「いきなり、何を言い出すんです?」
サ 「漂流している難破船で、3人の男が1人の男を食べて生き延びた」
ス 「ぜんぜん身近じゃないですよ。例えが恐すぎ」
サ 「客を満載した暴走列車を止めるには、罪なき一人の男の命を犠牲にしなくてはならないとする」
ス 「だから、ぜんぜん身近な話とちゃいますやん! スパイダーマンの世界より奇妙奇天烈ですがな」
サ 「卵子や精子は、金で売買されるべきか」
ス 「なんちゅう例えですか! もうええわ。アニメの世界に戻ります」

ちなみに、サンデル教授については、過去にこんな話を書いています。
レツゴーレツゴー [政治哲学] 三匹(備忘録)
http://hatanaka.txt-nifty.com/ronda/2009/01/post-8301.html

あと、この際、サンデル人気にあやかることを期待していえば、拙著『新聞再生―コミュニティからの挑戦』 (平凡社新書)のなかでも「不可なき自我」などの話を引用しています。サンデル先生の話は、マスメディアやジャーナリズムとも深く関係していますので、ご興味のある人はぜひ買ってください。

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