官房機密費:買春に使ったと平野氏が告白
平野氏が機密費を使ったと話しているのは、「昭和40(1965)年の終わりから2年間ぐらい」で、いくぶん古い話ではある。しかし、こんなにも昔から、機密費がこういう使い方をされていたということを示す証言としては貴重なものといえる。
以下は引用である。
当時はまだ、テレビではNHKの記者だけで、あとは大手の新聞、通信社。20代の記者もいたけど、多くは30から35ぐらいで、40歳近い人もいました。担当記者を連れて、赤坂や銀座の料亭へ行ってクラブへ行って……ランクは中級でしたがね。それから記者たちはこちらが用意した「女」とホテルに泊まってました。私は途中で抜けるのですが、園田さんから「ちゃんと最後まで接待せんか」と怒られたこともあります。その費用をこちらが持ち、1度に 20~30万円、月に1回程度といった感じでやっていました。
開いた口がふさがらない。平野さんは「その費用をこちらが持ち」と話しているようだが、つまり、国民が支払ったわけである。買春の費用を支払ってもらう側の倫理感の欠如ぶりは、もはや論外。百歩譲って、当時の記者たちはカネの出元が官房機密費であったことを知らされていなかったかもしれないが、連れだって買春をしなければ、当局に食い込むことが困難だったというのだろうか。
野中元官房長官の発言以降、この機密費問題は波紋を広げているが、オンラインメディアがこういう形で取材をしているというのは驚きであった。メディアを生態系に例えれば、多様なほうが良いに決まっているし、メディア間の相互批判は国民の利益にもかなう。この問題を追及するメディアが増えるのは健全なことである。
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