香港大阪論
マンハッタンを南から北へ歩いたとき、大阪との共通点をいくつも見いだすことができたが、先般、香港の目抜き通りを、南から北にむかって延々歩き、「なんや、ここも大阪のパチもんやったのか!」と思い至った。ただし、香港は地下鉄(MTR)が東京の地下鉄のように曲がりくねっていて、地下は大阪よりも東京に似ていた。いずれにせよ、超方向音痴のわたしには、東京のようなぐにゃぐにゃした都市よりも、マンハッタンや香港、大阪、京都のように碁盤の目になっているほうが歩きやすく、分かりやすかった。
香港にはNATHAN Street という目抜き通りがあり、大阪でいえば、まあ、御堂筋か堺筋に相当する。そして、大阪のキタかミナミといえる街が「太子(Prince Edward)」。そこからすこし下ると「旺角」や「油麻地」という、道頓堀や新世界のような広東情緒あふれる街がある。このあたりの路地を東西に入っていくと、ジャンジャン横町や天満市場界隈に似たような街角がいくつもあり、なんだかみょうに懐かしい。
しかし、地下はちょっと違う。太子から油麻地までの三駅は赤い荃湾線と緑の観塘線が並走しているのだが、前者は丸ノ内線で、後者は千代田線のように感じられた。MTRも大阪のように東西の「通り」と南北の「筋」に沿って作ってくれていれば、もっと楽に使えたと思う。この点、NYの人のほうが、世界の中心である大阪からたくさんのことを学んでいるように思えた(いずれ自由の女神に代わった、巨大なビリケンさんが設置されるであろう)。
街歩きは楽しい。しかし、熱帯の炎天下のコンクリートの上を歩いていると、確実にバテる。わたしは現地ですでに120%バテてしまっていた。涼をとるため飲食店に飛び込むと、そこは冷蔵庫並みの気温。20度以上の温度差を行き来していると、軟弱な身体は確実に打撃を被る。「歳を言い訳に使うな」と叱ってくれる人もいるが、、20代~30代のときとは比べものにならないくらいほどの身体能力の低下を意識せざるを得ない。カラ元気を出したり、いつまでも若いふりをするよりも、素直に衰えを認めるほうが勇気のいることだとおもうのです。
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