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2011年1月17日 (月)

映画『ソーシャル・ネットワーク』を観て

世界で5億人が登録しているという巨大SNSである facebook草創期を描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』を観た。事実をもとにして構成したフィクションだが、代表的な人物や組織の固有名詞は実名で、どこまでが事実でどこからが創作なのかはわからない。ただ、人と人の絆を紡ぐプログラムの開発者が、金銭的成功の陰で自らの人間関係をズタズタにしていったという“裏面史”を、古典的な一方通行メディアの映画が“暴く”というのは、なんとも皮肉だ。

ソーシャル・ネットワーク - オフィシャルサイト http://www.socialnetwork-movie.jp/

以下、映画のなかで興味深かったことを思いついた順に列挙する。

内容について

1) facebookの開発者ザッカーバーグは、もともとハーバード大学の男子学生が女子学生の品評会をするための超人気プログラムを開発し、女子たちから大顰蹙を買い、学校当局からも処罰されていた。
2) このプログラムに興味を持った家柄のよいエリート男子フラタニティが、facebookの原型になるスーパーフリーっぽいサイトを着想し、ザッカーバーグにそのプログラムを書かせようと仕向けた。
3) ザッカーバーグはチビで不細工でモテないオタク少年。名家出身で文武両道の御曹司たちでつくるフラタニティには、自転車置き場までして進入を許されず、じぶんが被差別階級であることを憎悪していた。
4) ザッカーバーグはエリート連中を出し抜いて、じぶんがコードを書いたfacebookのサービスを自分の名前で始めた(訴訟となり、和解した)。
5) MySpaceやOrkutなど先行する巨大SNSがあったにもかかわらず、後発facebookが普及していったのは、当初このSNSがハーバード大学のメールアドレス保有者だけに限定するなど、ハーバードの「一流」「名門」という価値を“売り物”にしたことが最大の要因で、けっして目新しくないということ。(小山エミさんは、facebookが人々の(あさましい)上昇志向を手玉にとって実名登録を促してきたたとみている http://synodos.livedoor.biz/archives/1482931.html
そのほか気づいたこと
6) 同種のサービスの呼び方が、日本ではSNSであるのに対し、米国では social networking と呼ばれていたこと。SNSって、TNP(低燃費)みたいな略し方だったのか?
7) 大学の学生新聞の影響力は絶大で、学生たちも新聞をしっかり読んでいた。新聞で悪評を書かれたりすると、起業しても投資家が二の足を踏むことがある。こわ。
8) フタラニティは、たんなる学生のサークルというよりも、学生たちの出自に応じた社会階層を象徴している。軍隊の新兵イジメのような行為も横行している。お気の毒。
9) ナプスターを作ったショーン・パーカーこそが、よちよち歩き時代の facebook の資産価値を正しく評価しており、facebook成功の最大の功労者であるということ。そもそも、評価の定まっていない商品やサービスを評価できる人間は多くはない。開発者自身も自らの価値に無自覚なことが少なくない。
10) ザッカーバーグは安っぽいGAPのパーカーを着用し、SONYのバイオを使っていた。GAPはアメリカのユニクロなのかな。あと、バイオはアメリカでクールなのかな?

わたしが面白いとおもったことを次々と書いていくと、facebook がひどいサービスかのように思えてくるが、上記は、あくまでもフィンチャー監督と脚本家が描いたfacebookであって、必ずしも事実とは違うことをお断りしておきます。

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コメント

スポンサー様というか、お金を出すところにS○NYが入っている以上、バイオを使わざるえないのではないかと…v(^^)。映画的には。

投稿: クニエ | 2011年1月17日 (月) 22時56分

私も今日、みてきました。
マーク・ザッカーバーグがショーン・パーカーと会食して「Exactly.」を連発していたシーン、印象に残っています。
梅田望夫の言葉じゃないですけど「正しいときに正しい場所にいる」を紆余曲折があったにせよ結果的に体現してますし、突き抜けた人たちには引きつけあう「何か」があるんでしょうね。

ウェブにたずさわるひとなら見ておいて損はないと思います。

投稿: skurima | 2011年1月17日 (月) 23時38分

俳優(ジェシー・アイゼンバ-グ)が気になるので見に行く予定です。
どうして実名登録がそんなに魅力なんだろうと不思議でしたが、
小山エミさんのブログを読んで、ああ、そういうこともあるのか、と思いました。
一見開放的に見えて実は閉鎖的、というアメリカ人気質とうまく符合したのかもしれませんね。

投稿: pinoko | 2011年1月18日 (火) 07時25分

>クニエ様
「スポンサー様」という以上に、ソニー・ピクチャーの映画でしたね(^^)

>skurima様
たしかにExactlyを連発してました。はじめて現れた理解者だったんでしょうね。パーカーの側も、ザッカーバーグは同類と思っていたかもしれないですね。結果的にナプスターの権利を失ったけれど、あのおかげで音楽流通の構造を変わったという自慢話はあながち嘘でもないですし。

>pinoko様
そうですね。小山さんのブログはなかなかに読ませてくれました。でも、今じゃ世界で5億人も利用していて、いまだに実名率が高いというのは、「開放的に見えて実は閉鎖的、というアメリカ人気質」だけでは割り切れない、別の要因もありそうな気がするのですよ。

投稿: 畑仲哲雄 | 2011年1月19日 (水) 23時59分

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