天命なんて知らんがな
儒教の始祖であり、現在も東アジアの倫理観に少なからぬ影響を与えている孔子は、50歳で「天命」を知った、と豪語している。論語のもっとも有名なことばに「子曰、吾十有五而志於學,三十而立,四十而不惑,五十而知天命,六十而耳順,七十而從心所欲,不踰矩」というのがある。中学生のころに、「し・のたまわく……」と声に出した読んだと思うけれど、じぶんが50歳を超えた瞬間の正直な気持ちは、表題のとおり「天命なんて知らんがな」である。そんな感慨に浸っている余裕があれば、はやく論文書けよ、とじぶんに言い聞かせる日々です。
天命なんて知りませんが、ひとつだけ、自信をもって引用できる言葉があります。それは「少年老いやすく学なりがたし」です。ただ、この諺が伝える価値を、真正面から全身で受け止め、かみしめるためには、若い時分に勉強をサボっておく必要があります。歳を取ってから、この諺を深く味わいたい人は、若いころから勉強なんかしちゃダメです。後悔こそ、人生に深みと陰影を与えてくれる大切なスパイスですから。
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