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2012年2月14日 (火)

実力も運のうち

50年生きてきて確信がもてそうなことがある。それは、人生のほとんどが運に左右されているということだ。俗に「運も実力のうち」などと言われるが、「実力」と呼ばれるものが評価されるも、されないも、「運」次第ではないか。量子論の最新知識を動員するまでもなく、わたしたちはじつに不確実で不確定な世界に在ることを体験的に知っている。だが、運で得たにすぎない財産、名誉、知識…を、あたかもじぶんだけの努力で勝ち取ったと思っている人がなんと多いことか。

ナシーム・ニコラス・タレブ (2008)『まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか』ダイヤモンド社
404 Blog Not Found:成果 ≠ 運+実力 http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51059326.html
「学生生活の背景」『学内広報』No.1380, 2008年12月5日,東京大学

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2012年2月 1日 (水)

「寝てたら起こされるかな」

昨夕、気分を変えて喫茶店で本を読んでいると、隣にいた老夫婦とみられる男女が席を立った。男性のほうが、通りがかったウェイトレスを呼び止めて、小声で訊ねた。「この店の前で寝てたら、起こされるかな」。ウェイトレスはすこし困った表情で「ほかのお客様もいらっしゃいますし、店の前はちょっと」と言った。年の頃なら50代半ばから60歳くらいの男女は、テーブルの下に置いていたリュックやボストンバッグ、そして、コンビニのビニール袋を5つ6つを手に静かに店を出て、寄り添うように駅のほうに向かって歩いて行った。2人は住むところを失ったホームレスだったと思う。わたしは財布を握りしめたまま何もできなかったことを情けなく思った。

佐藤俊樹(2000)『不平等社会日本――さよなら総中流』、中公新書
井上達夫(2001)『現代の貧困』、岩波書店
神戸幸夫・大畑太郎(1999)『ホームレス自らを語る』、アストラ
岩田正美(2007)『現代の貧困――ワーキングプア/ホームレス/生活保護』、ちくま新書
佐野章二(2010)『ビッグイシューの挑戦』講談社

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