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2012年6月21日 (木)

【告知】日韓国際シンポ 放送の公正性とは何か ― 韓国放送局ストライキから考える日韓メディア産業の未来 ― (7月16日)

わたしが所属している研究室で、以下のシンポジウムを開催します。いま韓国の放送局で長期のストライキ闘争がおこなわれていることは、日本のジャーナリストたちにほとんど知られていないと思います。日韓のメディア産業の差違やジャーナリズムのあり方を考えるうえで、示唆に富むシンポジウムになると思います。ふるってご参加ください。

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日韓国際シンポジウム
放送の公正性とは何か
― 韓国放送局ストライキから考える日韓メディア産業の未来 ―

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日時: 2012年7月16日(月・祝)13:30~17:00(13:00開場)
会場: 東京大学大学院情報学環 福武ホール・福武ラーニングシアター
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/index.html

共催: 北海道大学東アジアメディア研究センター
東京大学大学院情報学環林香里研究室

同時通訳あり・事前申込不要
お問い合わせ 「メディア研究のつどい」事務局  iii.media.studies[アット]gmail.com

登壇者:
基調講演 李康澤(イガンテク) 韓国・全国言論労働組合委員長、KBS プロデューサー
パネリスト 黄大埈(ファンデジュン) 韓国・PD連合会会長、KBS プロデューサー
     永田浩三 武蔵大学社会学部メディア社会学科教授
         玄武岩(ヒョンムアン) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授
総合司会: 林香里(東京大学大学院情報学環・学際情報学府教授)

シンポジウムの趣旨

2012年1月以来、韓国の放送界は前代未聞の波乱状態にあります。国家権力のメディアへの締め付けに対抗して、2大公営放送(公共放送)のKBS(韓国放送公社)、MBC(文化放送)をはじめ、ニュース専門チャンネルの YTN、通信社の聯合ニュースが、「落下傘」社長の退陣ならびに編集権の独立という「公正放送」の回復を求めてストライキを断行しています。
これまで、日本でもさまざまな機会に放送の公共性をテーマに議論してきましたが、隣国のこうした事態を受けて、日本でも改めて、「公正な放送とは何か」について考えるべき機会が訪れていると言えるでしょう。日本ではとりわけ、2011年の東日本大震災を受けて、メディアの社会的責任が大きく問われています。
本シンポジウムでは、韓国メディアの産業別労働組合の全国組織である全国言論労働組合委員長李康澤(イ・ガンテク)氏をお招きして、半年におよぶストライキの意義と展望について講演していただきます。その後、そこで追求されている「公正放送」が現代日本のジャーナリズムに与える示唆について、元NHKプロデューサー永田浩三武蔵大学教授をはじめ、日本の研究者も交えて討論を進めます。
また、東アジアのメディア空間はいま、情報通信技術の発展と普及、グローバル・メディア企業の進出、ならびに情報発信者の多様化によって大きく変容しつつあります。これまで国民国家単位で編成されてきた放送・新聞などのメディア産業は今後どこへ向かうのか、この地域における越境するリージョナル放送空間構築の可能性についても、議論を発展させていきたいと思います。


プログラム

共催者より挨拶
北海道大学東アジアメディア研究センター センター長 渡邉浩平

第一部
基調講演 李康澤(イガンテク) 「2012韓国言論抗争の意味と展望」
コメント 玄武岩(ヒョンムアン)
ビデオ上映(黄大埈(ファンデジュン)による解説)

― 休憩 ―

第二部
パネル討論  黄大埈 「〈PDジャーナリズム〉からみる公営放送の役割」
  永田浩三 「日本の公共放送・その弱点と課題~私の体験から~」
  コメント 李康澤 玄武岩
司会: 林香里

― 休憩 ―

第三部
全体ディスカッション・質疑応答 (司会:林香里)

閉会挨拶
東京大学大学院情報学環教授 林香里

登壇者プロフィール

李康澤(イガンテク) 韓国・全国言論労働組合委員長、KBS プロデューサー
1962年生まれ。ソウル大学政治学科卒業。1990年よりKBS プロデューサー。〈追跡60分〉〈日曜スペシャル〉などの時事番組でドキュメンタリーを制作。2006年からは〈KBSスペシャル〉のPDとして、「新自由主義を超えて チャベスの挑戦」「FTA12年 メキシコの光と影」「顔のない恐怖 狂牛病」などを制作。2003年に韓国PD連合会会長に就任、2011年より全国言論労働組合委員長。共著として『PDが語るPD』(ブキ、2007年)がある。

黄大埈(ファンデジュン) 韓国・PD連合会会長、KBS プロデューサー
1968年生まれ。ソウル大学国際経済学科卒業。1990年よりKBS プロデューサー。〈歴史スペシャル〉〈KBSスペシャル〉〈人物現代史〉〈環境スペシャル〉〈追跡60〉〈強力推薦高校チャンプ〉など、多くのドキュメンタリー・特集番組に手がける。代表作として「安重根義挙100年 伊藤狙撃映像を探せ」(2009)、「6・10民主化抗争企画 20日間の記憶」(2007)など。2010年より同局PD協会長、2011年より韓国PD協会長会長。

永田浩三 武蔵大学社会学部メディア社会学科教授
1954年大阪市生まれ。東北大学教育心理学科卒業。1977年よりNHKディレクター。NHK特集「社会主義の20世紀」など、多くのドキュメンタリー番組を手がける。〈クローズアップ現代〉〈ETV2001〉などのプロデューサー。「戦争をどう裁くか」のシリーズで「慰安婦問題」を取り上げ、番組改変事件の当事者となる。現在武蔵大学社会学部メディア社会学科教授として、ドキュメンタリーや映像アーカイブを教える。近著『NHK、鉄の沈黙は誰のために』(柏書房、2010)『あの日からの日々を数えて』(共著、大月書店、2012)。

玄武岩(ヒョンムアン) 北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院准教授
1969年生まれ、韓国済州島出身。東京大学大学院情報学環助手を経て、現職。主要著書:『興亡の世界史18 大日本・満州帝国の遺産』(共著、講談社、2010)『統一コリア 東アジアの新秩序を展望する』(光文社新書、2007)『韓国のデジタル・デモクラシー』(集英社新書、2005)。専門: メディア文化研究/日韓関係論。

林香里 東京大学大学院情報学環教授
1963年名古屋市生まれ。ロイター通信東京支局記者、東京大学社会情報研究所助手、ドイツ、バンベルク大学客員研究員(フンボルト財団)を経て、現職。主要著書: 『<オンナ・コドモ>のジャーナリズム ケアの倫理とともに』岩波書店、2011年。『マスメディアの周縁 ジャーナリズムの核心』新曜社、2002年。専門: ジャーナリズム/マスメディア研究。

本シンポジウムは、科学研究費補助金(C)「東アジアにおける越境的なリージョナル放送空間の基盤構築のための実践研究」(研究代表者 玄武岩)ならびに科学研究費補助金(B)「メディア産業構造変動から見る報道職とジャーナリズムの将来:東アジア国際比較研究」(研究代表者 林香里)の助成を受けて開催しております。

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