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2015年4月 3日 (金)

拝啓、論説委員様

 きょうの『京都新聞』(2015年4月3日朝刊)に掲載された社説「京滋統一選告示 わがまちの未来を考えよう」を拝読して考えさせられたことがいくつかありましたので、意見表明いたします。投書しようかと考えましたが、なるべくならパブリックな空間で議論をしたいと思いました。

京都新聞社説 http://www.kyoto-np.co.jp/info/syasetsu/

 社説のテーマは統一地方選です。京都も滋賀も前回選挙時に2人に1人しか投票していないというデータには、1人の有権者として驚かされ、危機感も抱きました。このように、地元新聞が読者にむけて投票を呼びかけることは必要不可欠ですし、意義深いことです。

 社説は冒頭で、「グローバル経済」「ナショナリズム」の台頭を挙げて、「こうした市場の肥大化、国家の先鋭化のはざまで、私たち個人の幸福は蔑(ないがし)ろにされていないか-。そんな疑問が世界では強まっている」と大きな状況について問題設定しています。この潮流は、当然、京都や滋賀にも及んでいます。

 現政権下で格差が拡大したことを説明したうえで、社説は、処方箋の題目を提示しました。「地域社会の再構築」です。そのためには、地域に暮らすわたしたち自身が、まさに「わがまちの未来」をきちんと考えて投票しなければならないということにほかなりません。反論しようのない正論です。

 続いて社説は、京滋の人口減少や、安倍政権の「地方創生」に触れたうえで、政治・行政・住民にハッパをかけています。

地域社会を紡ぎ直す手立てが地方の政治家に問われる
「縮小社会」では住民と行政の『協働』が鍵になる
開かれた議会が不可欠となる

 なるほど、そのどれも正しい意見です。締めの言葉は「『民主主義の学校』といわれる地方自治に参加したい」でした。たいへん美しい終わり方です。

 でも、物足りなさを感じました。

 たとえば、投票呼びかける社説は、前回の統一選の前にも書かれていたのではないでしょうか。いや、選挙のたびに同じ趣旨の社説が掲載されていませんか。今回の統一選を前に、社説の筆者はどのような反省(リフレクション)を導き出したのでしょうか。論説委員の肉声を読ませてほしいと思いました。

 それ以上に気になるのは、京都新聞が立っている場所です。政治や行政に意見したり、住民を励ましたりする地元メディアは、客観的な観察者という地点に踏みとどまっているような印象を受けます。地域メディアのジャーナリストは、「ガリバー旅行記」に登場する空中島ラピュタの住民であってなりません。空から下を見下ろして警鐘を鳴らすだけなら、三流学者にもできます。京都新聞の論説委員自身が「民主主義の学校」のなかで、「地域社会の再構築」のために、何をなさるおつもりなのかを教えてください。

 長々と書きましたが、論説委員の方々を詰問することが目的ではありません。わたしからの提案ですが、選挙について京都や滋賀の有権者たちと一緒に、胸襟をひらいて、車座になって、お茶菓子でもつまみながら、政治や選挙について気軽に話せる場をつくることからはじめてはいかがでしょう。はやりの言葉で言えば、デリベラティブ・デモクラシーの実践でしょうか。

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コメント

4月6日でしたか、facebookで貴殿の投稿にコメントして、その後ブロック?された者です。

http://d.hatena.ne.jp/news-worker/20150405/1428195632
を引用しての投稿でした。)

お気に障られたら申し訳ない。
琉球新報と沖縄タイムスという、沖縄においての2大紙が揃いもそろってバイアスのかかった偏向報道を行っていることに憤りを感じており、思い余って貴殿の投稿を茶化すようなコメントをいたしました。
コメントを取り下げます。

つきましてはブロック解除をお願いできませんでしょうか?
私にとっての反対意見に触れる機会を与えていただけませんでしょうか?
2度とコメントしないことを誓います。

以上 よろしくお願いします。

投稿: 田中正行 | 2015年4月 8日 (水) 00時14分

田中正行様
はじめまして。龍谷大学の畑仲哲雄です。ブロックは解除いたしました。ポリティカルな意見交換それ自体を拒んでいるわけではありません。政治思想の異なる方との意見交換は学びになります。コメントをしていただいてもかまいません。
知り合いとの間でfacebookの近況についてコメント交換をしていると、見知らぬ方から突然、厳しい口調で詰問されたり、罵られたりします。「こんにちは」とか「はじめまして」などの言葉もありません。たとえば、雑踏を歩いていて、見知らぬ人からふいに平手打ちをくらったような気持ちになります。特定のモノやコトに対して怒りをお持ちである場合は、意識的に避けてまいりました。今回もそれと同じ対応をしただけです。気に障ったわけではございません。

投稿: 畑仲哲雄 | 2015年4月 8日 (水) 08時12分

寛大な対応、ありがとうございました。

投稿: 田中正行 | 2015年4月 8日 (水) 19時43分

大事なことを伝えておりませんでした。
無礼な振る舞い、申し訳ありませんでした。以後、気を付けます。

投稿: 田中正行 | 2015年4月 8日 (水) 20時31分

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