組織ジャーナリストに「表現の自由」はあるか 連載「ジャーナリズムの道徳的ジレンマ」第6回
「おーい、共同さん、共同さん!」――いまだに共同通信記者として仕事をしていたころの夢を見ることがあります。夢の中では「畑仲さん」ではなく「共同さん」と呼びかけられたり、「おい、共同!」と怒鳴られたりもします。そんなとき、わたしは共同通信社という組織の一部(寄生虫?)として認識されていたことを思い知るわけです。
そういえば、大学を卒業して毎日新聞社に就職したときも、教育係の先輩記者からこんなふうに諭されました。大学出たての若造でも、毎日新聞社の名刺があれば誰でも会えるんだ。だけど、取材相手からすればお前みたいなチンピラなんてどーでもよくて、日本でもっとも輝かしい歴史と伝統をもつ言論機関と向き合ってもらっていると思え、と。
〈CASE 06〉組織ジャーナリストに「言論の自由」はあるか http://keisobiblio.com/2016/08/09/hatanaka06/
転職ばかりしてきたわたしには、勤務先企業への忠誠心が少なく、組織人としては「困った奴」だったかもしれません。だからこそ、こういう問題に敏感になれたのかなと思っています。
これまでのバックナンバー
〈CASE 05〉戦場ジャーナリスト、君死にたまふことなかれ(2016/07/12)
〈CASE 04〉ジャーナリストと社会運動の距離感(2016/06/14)
〈CASE 03〉その「オフレコ」は守るべきか、破るべきか(2016/05/24)
〈CASE 02〉人質解放のため報道腕章を警察に貸すべきか(2016/05/10)
〈CASE 01〉最高の写真? 最低の撮影者?(2016/04/12)
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