学者を目指さない学生にとって良い論文とは
わが本務校、龍谷大学社会学部コミュニティマネジメント学科では、卒業研究が必修です。卒業制作で映像作品を作る学生もいますが、多くは卒業論文を提出します。どんな論文が良い論文なのかについて、あれこれ考え続けてきましたが、きょうのゼミで暫定的な結論を4年生に伝えました。
大学院に進学して、研究職を目指したいという学生には、やっぱり学術世界のモノサシで判断したいところです。つまり、着眼点や、問いと方法がカッチリしていることが重要です。しかし、将来学者になりたいとは思っていない学生に、それと同じモノサシを当てて評価するのは間違っていると思います。
わたしなりの暫定的な結論。・・・学生自身が研究することによって世界観や人生観が変わるほど体験をして、それを訴えかけるような作品こそが良い論文です。つまり、その学生自身が、研究に取り組んだことで、本当によかったなあと思えるかどうかです。
小器用にまった〝お上手〟な論文がすべて悪いとは言いません。けれど、教員の評価ばかりを気にして書かれた作品は、つまらないのです。少しくらい型破りでも構わないので、「本気だして書いたで」みたいな気持ちが伝わってくる草稿が10月末に提出されることを願っています。
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