『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』を出版しました
『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』が2018年8月31日、発売されました。この本は学術出版・勁草書房の編集部が運営する「けいそうビブリオフィル」で連載していたものを単行本化したものです。必要に応じて加筆修正を施し、新たに書き下ろした章も盛り込まれています。宣伝めいて恐縮ですが、構想10年、執筆2年余です。よろしくお願いします。
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■紹介
報道倫理のグレーゾーンに潜む20の難問。現場経験も豊富な研究者ならではの視点で再考する、ジャーナリズムの新しいケースブック。■内容説明
ニュース報道やメディアに対する批判や不満は高まる一方。だが、議論の交通整理は十分ではない。「同僚が取材先でセクハラ被害に遭ったら」「被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか」「被害者が匿名報道を望むとき」「取材謝礼を要求されたら」など、現実の取材現場で関係者を悩ませた難問を具体的なケースに沿って丁寧に検討する。■章タイトル
第1章 人命と報道
第2章 報道による被害
第3章 取材相手との約束
第4章 ルールブックの限界と課題
第5章 取材者の立場と属性
■目次
ねらいと使い方 ジャーナリズム倫理を絶えず問いなおす第1章 人命と報道
CASE:001 最高の写真か、最低の撮影者か
CASE:002 人質解放のために警察に協力すべきか
CASE:003 原発事故が起きたら記者を退避させるべきか
CASE:004 家族が戦場ジャーナリストになると言い出したら第2章 報道による被害
CASE:005 被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか
CASE:006 被害者が匿名報道を望むとき
CASE:007 加害者家族を「世間」から守れるか
CASE:008 企業倒産をどのタイミングで書く第3章 取材相手との約束
CASE:009 オフレコ取材で重大な事実が発覚したら
CASE:010 記事の事前チェックを求められたら
CASE:011 記者会見が有料化されたら
CASE:012 取材謝礼を要求されたら第4章 ルールブックの限界と課題
CASE:013 ジャーナリストに社会運動ができるか
CASE:014 NPOに紙面作りを任せてもいいか
CASE:015 ネットの記事を削除してほしいと言われたら
CASE:016 正社員の記者やディレクターに表現の自由はあるか第5章 取材者の立場と属性
CASE:017 同僚記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら
CASE:018 犯人が正当な主張を繰り広げたら
CASE:019 宗主国の記者は植民地で取材できるか
CASE:020 AIの指示に従って取材する是非■思考の道具箱■
傍観報道 / 番犬ジャーナリズム / 共通善 / 危険地取材 / 臨時災害放送局 / CPJ / 自己責任 / メディアスクラム / 合理的な愚か者 / サツ回り / 犯罪被害者支援 / 熟議 / 被疑者と容疑者 / 世間 / 特ダネ / 倒産法 / コンプライアンス / 知る権利 / 取材源の秘匿 / 2種類の記者クラブ / 地位付与の機能 / ゲラ / 報道の定義とは? / 小切手ジャーナリズム / 記者会見 / 「ギャラ」 / キャンペーン報道 / アドボカシー / 黄金律 / NPO(非営利組織) / 地域紙と地方紙 / アクセス権と自己情報コントロール権 / 良心条項 / 記者座談会 / ゲリラとテロリズム / ポストコロニアリズム / 倫理規定 / ロボット倫理 / 発生もの
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