教授になりましたが
2019年4月1日に准教授から教授になりました。共同通信社に辞表を提出し、2013年度に龍谷大学に准教授として拾ってもらい丸6年目がすぎました。運が良かったと思っています。
同時に、後ろめたさも感じています。有能な研究者たちが大学教員の仕事を得られず、なかには将来に絶望して命を絶つ人もいる。そんな状況のなかで、じぶんが専任教員でいられることを素直に喜んでいいのかどうか。。。
報道を掲げるメディア企業にも非正規雇用のスタッフが増えています。番組ディレクターや取材記者を派遣する会社もあります。業務委託記者の募集広告もよく見かけます。「同一労働」をしている正社員と非正規雇用スタッフは「同一賃金」ではありません。大学業界も同じで、非常勤講師と専任の教授の報酬はまったく異なります。
とっても嫌な言葉ですが「勝ち組」と指さされる記者や学者に、格差社会を客観的に報じたり論じたりする資格があるでしょうか。
東京大学の入学式で上野千鶴子先生の祝辞が波紋を広げました。たしかに、努力しても優秀でも人格者であってもちっとも報われないことなど珍しくありません。そんな世の中で、自分が享受している立場を「当然」と受け止めるなんて、私にはできません。
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