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2020年2月21日 (金)

3・19 那覇で新刊トークイベント

319_punga_ponga_night 『沖縄で新聞記者になる』の新刊トークイベントで開催することになりました。那覇のブラジル料理&イベントスペース Punga Ponga さんから提案をいただき、大阪人らしく「ワイもいっちょうやったろかぃ!」みたいな気分で挑戦することにしました。琉球新報の玉城江梨子さん、沖縄タイムスの阿部岳さんにご登壇いただき、進行は版元ボーダーインクの新城和博さんにお願いします。

ただ正直なところ、じぶんが見られる側に回るのは得意ではありません。話の流れを読みながら、当意即妙に気の利いた台詞を繰り出したり、会場を沸かせるようなジョークを挟むような経験値は低いです。

もちろん、大学教員になってからは、講義で90分しゃべり続けることもありますし、シンポジウムのパネリストでコメントをすることもあります。でも、それはネタを仕込んでいるからできること。どこから弾がとんでくるわからない言葉のやりとりは、正直こわい。やはり新聞記者出身なので、聞き役のほうが身についています。

せっかく新刊トークをするのですから、ぜひ大勢の方にきていただき、たくさんの質問・異論・反論をぶつけていただきたいと思います。

なお、イベント会場では書籍も販売します。著者のトーク内容とそこからにじみ出る人間性をじゅうぶん吟味したうえで、購入の可否をご判断ください。どうかよろしくお願いします。

Punga Ponga - facebook page

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2020年2月17日 (月)

『沖縄で新聞記者になる:本土出身者たちが語る沖縄とジャーナリズム』出版しました

Photo_20200217164001 沖縄の出版社ボーダーインクから『沖縄で新聞記者になる:本土出身者たちが語る沖縄とジャーナリズム』(ボーダー新書)を出版しました。この本で検討したのは、本土で生まれ育ち沖縄に移り住んで新聞記者になった人たちの、あまり知られていない経験です。

沖縄島には2つの有力な地方紙――琉球新報と沖縄タイムスがあります。この2紙は、戦後の沖縄でいくつも発行された新聞との競争を勝ち抜いてきた新聞です。日本にはほとんどの県に有力地方紙(県紙)が1紙ありますが、沖縄では珍しく2紙が競い合っています。

沖縄の新聞社は、本土の新聞社とはすこし違います。戦後27年間も米軍の支配下に置かれてきたため、社員の県民(≓ウチナーンチュ)の比率が高いのです。戦後沖縄の言論は「沖縄人(ウチナーンチュ)の沖縄人による沖縄人のためのジャーナリズムだった」と言ってよいと思いますが、90年代以降、本土出身者が2紙の試験を受けて記者になる例が徐々に増えてきました。

この変化は、沖縄のジャーナリズムに何らかの変化をもたらしている、と私は考えます。ただ、その前に、わたしとしては、いったいなにが本土の若者を沖縄の新聞社に駆り立てたのか。沖縄で記者になって、なにに喜びを見出し、どんな苦悩を胸にしまってきたのか――を知りたいと思い、いても立ってもいられなくなり調査に乗り出しました。

わたし自身は大阪で生まれ育った本土の人間なので、わたしが「これが沖縄ジャーナリズムだ」とか「沖縄の新聞記者はかくあるべきなんだ」みたいなことを論じる資格はありません。わたしにできることは、沖縄の新聞社に就職した本土出身者を対象とした聞き取りくらいです。

数年前から沖縄に対するヘイトスピーチがおこなわれるようになり、本土と沖縄の心理的距離が広がりつつあります。それは沖縄紙で働く本土出身の記者の立場に直結しています。沖縄の出版社に出版を相談しに行ったのは、そんな微妙な立場の人たちの人たちのことを理解してくれると思ったからです。沖縄の出版社から出た本ですが、本土の現役記者や記者志望の学生にも読んでもらいたい一冊です。

どうかよろしくお願いします。

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