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2020年3月 8日 (日)

3・14 新聞労連の研修会でワークショップ

3月14日、東京で開かれる「新聞労連・第48回 JTC 記者研修会」の講師を引き受けました。新聞労連というのは日本新聞労働組合連合の略称で、全国紙や地方紙、通信社などの労組の全国組織。その組織内のJTC(ジャーナリスト・トレーニング・センター)がおもに若手記者向けの研修会がおこなっていて、講師役を依頼されました。わたし自身、毎日新聞労組や共同通信労組にいましたが、端っこの組合員だったため、そういう研修会があることも知りませんでした。

3・14の当日は、講演・講義よりも参加型ワークショップをやろうと考えています。私は龍谷大学の授業や社会人向け公開講座(龍谷大学RECコミュニティカレッジ)で、勁草書房刊『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』を使ってワークショップ型の授業をやっています。それを、若手の現役記者と一緒におこなえるのは楽しみです。

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』 では、「同僚記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら」とか、「取材謝礼を要求されたら」「企業倒産をどのタイミングで書くか」「原発事故が起きたら記者を退避させるべきか」など、実際に取材現場で起こった事例にもとづく20の難問を採りあげています。取材記者の実体験がなくニュースの「受け手」である学生や社会人がおこなう議論に耳を澄ますと、社会がどのような報道を求めているかが分かります。

社会人向けの公開講座のほうには、新聞記者志望の大学生やメディア関係者を名乗る匿名の方が参加されたことがあります。ただ、メディア関係者の方は、ふつうの人たちと議論する際にやや距離感があったように見受けられました。その方にとっては、「こんなときは、こうするものだ」「あれはダメ、これはOK」という業界や企業のルールが体に染みついていたのかな、と思っています。難問に対する答えは一つではありませんし、従来の「掟」を破ることが新たな規範の芽になることもあります。

9年前の福島第一原子力発電所事故の際は、新聞労連に加盟しているような「大手」「一流」の新聞社・通信社の記者たちがいち早く現場から退避しました。それは就業規則や社内手続きに則った安全確保の「正しい」行為だったかもしれません。他方、いわき市のコミュニティFMのスタッフが「住民を置き去りにできない」と考えて地域への情報提供をおこないました。それは地域社会の一員として倫理的に「正しい」判断であり、地域密着型ジャーナリズムの金字塔と評価されるべき営みだったともいえるのではないでしょうか。

ワークショップではこうした難問を現役記者と一緒に討議し、ともに学び合いたいと思っています。大学の講義から私が学んだもお伝えできればありがたいです。

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