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2020年3月22日 (日)

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』ワークショップ@新聞労連JTC

3月14日、東京・文京区シビックホールで開かれた新聞労連の若手記者研修会でワークショップを実施する機会をいただきました。研修会の名称はJTC(ジャーナリスト・トレーニング・センター)で、この日が48回目だそうです。これまでに著名な方々が講師を務めているので、とても晴れがましい気持ちになりました(機会をくだっさった執行部の皆様にあらためて感謝します)。

JTCは1泊2日で複数の講座企画がプログラムされ、わたしが担当したパートでは『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』を用いたグループディスカッションを実施。ワークショップ名を「報道現場のモラルジレンマ」として、本の第2章に収録した『CASE:006 被害者が匿名報道を望むとき』の難問をベテラン記者や記者志望の学生もまじえて討議し、発表しました。

時間があれば『CASE:002 人質解放のために警察に協力すべきか』や『CASE:012 取材謝礼を要求されたら』、『CASE:017 同僚記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら』も議論したかったのですが、実名/匿名の議論が熱すぎたので、余った時間でリベラル-コミュニタリアン論争やリップマン-デューイ論争、功利主義と義務論などについてミニレクチャーをしました。

振り返ると、現役記者たちが会社の壁や経験の差の別なく平場で話しあう機会はとても貴重だと思います。ベテラン記者がつい上から目線で、新人記者や記者志望の大学生に“教えてあげる”というモードにならないか、じつは内心ちょっと心配していましたが、今回はむしろベテラン記者たちがアタマをほぐす機会にもなったような感触も得ました。

新聞労連の研修会で、わたしはプロの記者たちに、大学の授業に飛び込み参加するよう呼びかけました。 学生たちに教えてあげる、というのではなく、学生たちとディスカッションして、それを仕事に活かしてほしいと思っています。学生たちの大きな学びにもなるし、市民社会とマスメディアやジャーナリズムとの絆を強めることになることは間違いありません。記者の皆さん、ぜひわたしの授業にご参加を。メール:hata@soc.ryukoku.ac.jp

追記:ちなみに勁草書房刊『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』 「CASE:019 宗主国の記者は植民地で取材できるか」は、わたしの最新刊『沖縄で新聞記者になる:本土出身記者たちが語る沖縄とジャーナリズム』 (ボーダー新書)に接続します。あわせてお読みいただければ幸いです。

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