カテゴリー「books」の140件の記事

2015年8月19日 (水)

戦後70年に読む手塚作品

 8・6(ヒロシマ)、8・9(ナガサキ)、安倍談話、閣僚の靖国参拝、そして終戦の日。8月16日以降は、戦後70年企画の特別番組もなくなりました。こんなのでいいのかな。それはさておき、疎遠になっていた手塚治虫の作品をこの夏にいくつか読みました。印象深かったのは『奇子』と『アドルフに告ぐ』です。Wikipediaによると『奇子』は1972~1973年に『ビッグコミック』に連載され、NDL-OPACでみると1976に大都社から単行本が出ていました。『アドルフに次ぐ』は1983~1985年に『週刊文春』に連載されています。ともに戦争の狂気が史実をまじえて描かれ、戦後70年の節目の年に読むには良い内容だと思いました。

手塚治虫『奇子 1』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『奇子 2』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『奇子 3』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『アドルフに告ぐ 1』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『アドルフに告ぐ 2』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『アドルフに告ぐ 3』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『アドルフに告ぐ 4』 Kindle版、手塚プロダクション、2014
手塚治虫『アドルフに告ぐ 5』 Kindle版、手塚プロダクション、2014

続きを読む "戦後70年に読む手塚作品"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年6月 2日 (火)

取材者と取材対象との関係

 奥田祥子『男性漂流:男たちは何におびえているか』(講談社+α新書,2015)読了後、前作『男はつらいらしい』(新潮新書,2007)を読みはじめています。著者は元読売新聞ウイークリー記者で、最後の職場『読売ウィークリー』編集部がお取りつぶしに遭ったことなどから、独立した人われたようです。ながらく「客観報道」の枠組みに縛られてきたけれど、「結婚できない男」たちを取材するうえで、取材者と取材対象との関係を変えざるをえなかったことが吐露されています。

奥田祥子(2015) 『男性漂流:男たちは何におびえているか』 講談社+α新書.
奥田祥子(2007) 『男はつらいらしい』新潮新書.

続きを読む "取材者と取材対象との関係"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月27日 (水)

『地域ジャーナリズム』が内川賞受賞

Communitarian_journalism 『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』(勁草書房)が、2015年度の第5回内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞に選ばれました。お知らせをいただいたときは、まるで豆鉄砲を食った鳩のような状態でしたが、時間が経つにつれ感謝の気持ちがわきあがってきました。本書を評価してくださった選考委員の先生方に感謝を申し上げます。

畑仲哲雄(2014)『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』勁草書房.

続きを読む "『地域ジャーナリズム』が内川賞受賞"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年5月23日 (土)

3・21シンポでの講演メモ(掲載遅すぎ)

2015年3月21日に、キャンパスプラザ京都で開催されたシンポジウム「コミュニティメディア-その公共性とジャーナリズムを考える」龍谷大学政策学部・松浦さと子研究室主宰)で登壇した際の講演メモを掲載するのを長らく忘れていました。遅きに失しましたが、わたしと同じ問題意識をもつ学生や研究者が、きっとたくさんいるはずだ信じて、公開することにしました。とくに、地域ジャーナリムの定義については、本で書いた内容よりコンパクトにまとまっていると思います。できれば本を読んでほしいのですが。。。

畑仲哲雄(2014)『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』勁草書房.

続きを読む "3・21シンポでの講演メモ(掲載遅すぎ)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年4月26日 (日)

週刊読書人に『地域ジャーナリズム』の書評

Dokushojin 辛口で知られる書評新聞『週刊読書人』 2015年4月24日号第4面に『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』(勁草書房)の書評が載りました。評者は赤尾光史先生。「新潟県上越市の小規模新聞と地元NPOとの『協働紙面』に注目し、両者の『協働』に至る経緯と実態を記録しながらその意義を探り、さらにジャーナリズムの新たな筋道を理論的に考察した研究書である」と概括していただきました。ありがとうございます。

赤尾光史「新たな筋道を理論的に考察:従来のジャーナリズム規範の批判的考察」『週刊読書人』2015年4月24日号

続きを読む "週刊読書人に『地域ジャーナリズム』の書評"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年4月19日 (日)

琉球新報に『地域ジャーナリズム』の書評

 沖縄県の『琉球新報』 2015年4月19日付の紙面で、『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』(勁草書房)の書評を載せていただきました。評者は、琉球大学法文学部准教授でメディアやジャーナリズムの研究をされている比嘉要先生です。たいへん光栄に思います。とても丁寧に読んでくださり、「概要と事例をまず把握したい読者は第6章から読み始めるとよい」と、道案内もしてくださいました。ありがとうございます。

書評 比嘉要「『地域ジャーナリズム』 社会との関わり多角的に」『琉球新報』2015年4月19日
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-241979-storytopic-6.html

続きを読む "琉球新報に『地域ジャーナリズム』の書評"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年4月 3日 (金)

新聞のパートナー(5)

 誤解のないよう付け加えておきますが、わたしがいう「新聞」は、新聞社のことではありませんし、日本新聞協会のような組織のことでもない。わたしは新聞と新聞社と新聞記者を切り分けて考えています。「新聞」なるものは、いわば、ニュースや言論が投じられ、議論される公共的な空間です。新聞社はそんな議論のネタを印刷した紙を作っている営利企業にすぎません。そして新聞記者とは、その両者を取り持つ存在といったところでしょう。こうした考え方は、2007年に東大に提出した修士論文のエッセンスを抽出した『新聞再生:コミュニティからの挑戦』(平凡社)で詳述しておきました。

東京大学大学院 情報学環・学際情報学府 http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/
畑仲哲雄(2008)『新聞再生:コミュニティからの挑戦』平凡社

続きを読む "新聞のパートナー(5)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年4月 2日 (木)

新聞のパートナー(4)

Newspaper_circulation 足立の行動は、たとえば「客観的な観察者」「公平無私な報告者」などという大手新聞社の規範から逸脱します。もし足立が大手紙の倫理に縛られていたら、地元の医療が崩壊する過程を正確に記録し、詳しく分析することに徹するでしょう。しかし足立は、止むに止まれぬ思いから地元の母親たちを焚きつけ、いまも母親グループの実質的なブレーンとして活動しているし、地元の医療関係者は足立を「救世主」と評価しています。それを映すように足立は全国各地の医療関係者を対象にした講演に引っ張りだこです。

"Statement of Principles". American Society of News Editors (ASNE)
SPJ Code of Ethics | Society of Professional Journalists
Ethics Codes | Pew Research Center
Ethical Journalism Guidebook - The New York Times
Jeffrey Bezos, Washington Post’s next owner, aims for a new ‘golden era’ at the newspaper

続きを読む "新聞のパートナー(4)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年4月 1日 (水)

新聞のパートナー(3)

Newspaper_circulation NPOと協働するという「上越モデル」は、すでに和歌山に飛び火しています。和歌山新報社の一部紙面は、わかやまNPOセンターが定期的に制作しています。「わかつく」と題した紙面はネットでも全面公開されていて、事務局長の志場久起さんはfacebookなどで広報しています。上越モデルは、地域紙はもちろん、他の活字メディアでも実現可能です。「記者を一人前に育てるのに膨大な時間と労力が必要」というような固定観念を捨てて取り組んでみてはいかがでしょう。

わかやま新報 http://www.wakayamashimpo.co.jp/
わかやまを創る新聞「わかつく」 http://www.wnc.jp/wakatsuku/
足立智和「時すでに遅し、か」2007年07月19日、丹波新聞
「「小児科守る会」冊子手作りし配布へ」2008年02月08日、丹波新聞
「第1回地域再生大賞」の表彰について :47NEWS
新潟県十日町地域振興局健康福祉部「妻有地域かわらばん」平成24年10月24日

続きを読む "新聞のパートナー(3)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2015年3月31日 (火)

新聞のパートナー(2)

Newspaper_circulation 日本新聞協会加盟の新聞社は、政界や財界の権力者の力を借りることなく「独力」で経営改善を模索しています。なかには全国紙=地方紙、全国紙=地域紙という系列関係にある企業もあり、ナントカ会という新聞社のグループもあります。そういうのを考慮すれば、完全な独力とはいえませんが、プロパブリカのように財団から金を得ているわけではありません。朝日と産経のように社論は対立しても共通する利害も多く、いわば護送船団方式を形成しているといえます。つまり「業界の風雲児」がけっして現れない構造ができあがっているわけです。

プロパブリカ http://www.propublica.org/
上越タイムス http://www.j-times.jp/
くびき野NPOサポートセンター http://www.kubikino-npo.jp/
畑仲哲雄(2014)『地域ジャーナリズム:コミュニティとメディアを結びなおす』勁草書房.
畑仲哲雄(2010)「『編集権』からNPO『協働』へ : あるローカル新聞の市民参加実践」『情報学研究 : 学環 : 東京大学大学院情報学環紀要』 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007767390

続きを読む "新聞のパートナー(2)"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧