カテゴリー「ict」の38件の記事

2011年2月24日 (木)

いまこそ『スローネット』とヴィリリオか

デジタル技術によって「加速」されるネット世界と現実世界を、肯定的に受け止めようと危険視しようと、わたしたちはもはやそこから逃れて生きることはできない。気がつけば、そういう段階にさしかかってしまった。そんなわたしたちの社会環境に、情報学環の西垣通先生の『スローネット:IT社会の新たなかたち』(春秋社)は、「身体性の回復」、「ローカリズムの重視」、「老いることの意味」について鋭く問いかける。「スローネット」という考え方は論争的だ。

西垣通(2010)『スローネット:IT社会の新たなかたち』春秋社.
ヴィリリオ,ポール(1998)『電脳世界:最悪のシナリオへの対応』産業図書.

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2010年10月 2日 (土)

いまさらながらtwitter考

twitterを頻繁に利用するようになった。おかげでブログの更新や会員制SNSへのアクセスが激減した。それ自体、良いとか悪いというものではないのかもしれない。twitterが登場した当初、わたしは140文字の制限には魅力を感じなかった。だがその手軽さや気楽さを考えれば、爆発的に利用が広がった理由はよくわかる。ただ、こうしたツールをわたしたちが次々と乗り換えていく現象をどのように考えればいいのだろう。

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2009年8月18日 (火)

監視カメラ映画『LOOK』と監視社会

Look_movie監視カメラの映画『LOOK』は、ドキュメンタリーふうのフィクションだが、観る者の居心地を悪くしてくれる。理由はふたつ。ひとつは、この作品を観る者を、他人のプライバシーを覗いているような気分にさせるため。ふたつに、じぶんもあちこちに設置されたカメラで監視されているという不安な気持ちに駆られるからだ。監視社会には大きく分けて3つの段階があるように思う。まず、人々が監視されていることに気づかず私的空間を一部の者から盗み見られている段階。次は、人々が一部の者から監視されていることを前提として社会生活を営む段階(G.オーウェル『1984年』的な世界)。その次は、一部の権力者のみならず、不特定多数の人々が相互に監視している段階。わたしたちは3つめの段階に差し掛かっているのかもしれない。

アダム・リフキン監督 『LOOK』 ( 原題: LOOK, 2007, 米 )

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2009年3月13日 (金)

職質とYouTube

Koban職務質問のもようを動画共有サイトに投稿する例が目立つ。もし悪質な職質がおこなわれたなら、人に伝えるというのは自然なことだ。警察官に撮影や投稿を規制する正当な理由はない。当局はYouTubeに削除要請するというイタチごっこをするより、むしろ撮られても恥じない職務態度を身につけさせ、信頼回復を優先させるべきだろう。信頼されるためには、まず人を信頼することからはじめるべきだ。職質時の態度が気に入らないという理由で、暴言をぶつけ、にらみつけ、ヤクザ顔負けの圧迫をする。それは弱い人間のすることだ。

職務質問をネットで動画投稿 県警、規制策なく困惑 【神戸新聞】 (2009/3/10 14:29)

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2009年3月 7日 (土)

オンデマンド本を買う

Pestoffほしい本があった。ペストフという北欧の学者が1998年に書いたBeyond the Market and Stateの訳書である。すでに絶版になっていて大学の図書館にはあるのだが、やはり手元に置いておきたい。版元の日本経済評論社にも在庫がなく、アマゾンのused(中古)では、定額給付金でも足りない1万3000円の高値が付いていた。それが元値の3990円で買えた。しかも新品!オンデマンド出版のなせるわざなのだ。

ON DEMAND「万能書店」 http://www.d-pub.co.jp/index.html
ペストフ、ビクター (2000=2007) 『福祉社会と市民民主主義 : 協同組合と社会的企業の役割』 藤田暁男[ほか]訳、日本経済評論社
Pestoff, Victor A. (1998) Beyond the Market & State: Social Enterprise & Civil Democracy in a Welfare Society, Ashgate Pub Ltd.

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2009年1月 5日 (月)

中学生が新聞ニュースを語る番組

こういう発見があるからネットはおもしろい。新聞をほぼ毎日読んでいるという中学の女の子が気になるニュースについてしゃべるポッドキャスト番組を知った。番組は毎週火曜日に配信されている。番組名は「新聞って面白い?中学生さくらのポッドキャスト」。2008年9月14日にスタート。「さくらちゃん」は経済や事件に興味があるといい、「ジェシカさん」という女性と楽しいトークをしている。

@さくらじお 「新聞って面白い?中学生さくらのポッドキャスト」 [PODCAST/RSS]

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2008年3月14日 (金)

上海の IPTV

上海の街角でマッサージ店に入った。足つぼ+全身モミモミという1時間余りのコース。中国では男性客に対しては女性スタッフが、女性客に対しては男性スタッフがサービスするのが普通らしい。脱衣場でパジャマに着替えて、という大げさなことはしない。コートやジャケットなどの上着と靴下を脱ぐだけで、あとは椅子に座って全面的におまかせ。室内には大型液晶テレビが置かれていて、スタッフがモミモミの合間にボタン操作をしていくつもの番組を見せてくれた。これがウワサのIPTVだった。

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2008年2月13日 (水)

古いメディアの形式

Nationalgeo_medMag My Pic という写真加工サイトがある。手持ちの写真を雑誌の表紙ふうにしてくれるサイトで、これがなんとも面白い。インターネットの登場で、雑誌が売れにくくなったと言われて久しい。だれもがブログで電子出版モドキの行為ができるようになったし、フォトショップなどの画像加工ソフトで修正や補正をすれば、プロ顔負けの写真も作れる。しかし、だからといって、雑誌という古いメディアがもつ形式の楽しさや美しさというものが見放されているわけではない。むしろこんな時代だからこそ、雑誌メディアが醸し出すものを再発見できるような気がする。

MagMyPic - Fake Magazine Covers with your Photo! http://www.magmypic.com/

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2008年2月 7日 (木)

やったね!人文の知

Chiki_book
こういうのを、才気ばしった若手の好著というのだろう。荻上チキの『ウェブ炎上』は、インターネット以後の世界を生きるわれわれが直面するさまざまな問題を、メディア論とテクスト論によって解読する教養書である。社会学、現代思想、哲学、政治思想、法学、社会心理学…… 「炎上」という現象を斬るため人文の知をフル動員しましたという内容に舌を巻く。

荻上チキ(2007)『ウェブ炎上―ネット群集の暴走と可能性』ちくま新書

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2006年9月19日 (火)

フォルダ消失

Hdl250uアイオデータのLANDISKに保存していたデータが、き、き、き、消えた(涙)。おととい、画像を保存していたフォルダにアクセスしようとしたら、フォルダが表示されなかったのだ。レレレと思って、パソコンもLANDISKも再起動したけど、やっぱりフォルダのアイコンが表示されない・・・・。誤って消してしまったのだろうか。うーむ、そんなの記憶にないぞ! 新製品のLANDISKには「ごみ箱」機能があるが、わたしが使っているのは旧機種(HDL250U)で、一度消したらシオシオのパーらしい。アイオデータに確認の電話をしたところ、同社のデータ復旧ソフト(Deta Salvager2)はHDL250Uに対応していないし、データ復旧のサービスもやってない。「すいません。当社ではどうすることも・・・・」だと。なにか良い方法をご存知の方がおられれば、どうかお助けを(涙汗)

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