いまこそ安部公房
私がすきな日本の作家に安部公房がいる。安部の作品には、人類の業のようなものを感じさせられてきた。三島ではなく、大江でもなく、安部公房の作風と独特な表現に惹かれてきた。1980年代半ばにシベリア鉄道でソ連を横断したとき、「おれはКобо Абеが好きだ」というロシア人がいた。海外に翻訳された点数も多い。だが、ここ数年、街角の本屋さんで安部を見かけなくなった。忘れられた大作家になったことを残念に思っていたところ、KINOKUNIYA書評空間BOOKLOGで石村清則さんが『第四間氷期』を紹介されていたのを知り、嬉しくなるとともに、安部の卓越した人間観・未来観にあらためて感心した。
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