田母神論文公表の効用
あくまでも思考実験。もしも国民にも近隣国にも善をもたらさないと思われる国家があったと仮定して、そんな政府で働く軍人が政府見解と矛盾する言説を発表したとする。そのときの軍人の処遇はいかにあるべきか。その国家が建前としてリベラル・デモクラシー体制を堅持しているのなら、軍人の言説を抑圧すべきではないのではないか。よしんば、政府見解とは異なった意見を発表することでパブリックにダメージを与えることが明白だとしても、事前に抑制・禁止するのはよくないような気がする。田母神論文問題の内容が逆の内容であったとしても納得できる方策を探るのがリベラルな途だろう。「あの論文はイデオロギー云々のレベルに達していない幼稚なもの」という見方もあるが、それが当人にとって切実な「思想」であれば、たんに「知性に乏しい」という斬り捨ては傲慢である。こんなことを記したのは、18世紀フランスの思想家ヴォルテールの金言(本人の書き物のなかからは見つからなかったようだが)を思い出したから。
"I disapprove of what you say, but I will defend to the death your right to say it”.
あなたの意見は受け入れがたいが、あなたがそれを主張する権利は命をかけても守る
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