カテゴリー「journalism」の225件の記事

2018年11月 3日 (土)

「華氏119」が描く大手メディアの欠陥

映画「華氏119」で感心したのは、マイケル・ムーア監督がドナルド・トランプの個人的資質だけを問題にしているのではなく、むしろメディアの構造的な欠陥をわかりやすく示していたことです。日本在住の私たちも他人事ではありません。他山の石として学んでおく価値があると思いました。

マイケル・ムーア『華氏119』公式サイト

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2018年10月31日 (水)

「朝日ぎらい」を変える

「もう、『マスコミが悪い』と突っ込まなくなりましたよ」。先日、ある市民講座のあとで受講生からそんなコメントをもらい嬉しくなりました。その方は、学生時代に『朝日ジャーナル』や『世界』の読者だった団塊世代で、いつしかすっかり「朝日ぎらい」に。わたしの授業が変化の契機になったとすればうれしいですね。

龍谷大学の公開講座「RECコミュニティカレッジ」

わたしは、龍谷エクステンションセンターが運営する市民講座で「ジャーナリズムの道徳的ジレンマ~報道現場の難問を考えるワークショップ」という授業を担当しています。この授業は、報道倫理の難問をさまざまな角度から考える一種の哲学カフェです。わたしの主な役目はお題の提供とタイムキーパー。受講生同士が小グループに分かれて意見を聴き合い、最後は各グループでまとめた意見をクラス全体で共有するというのが授業の流れです。

対話型の授業は、いわば「文殊の知恵」的な解を求めるというよりも、むしろ、意見の違いを際立たせ、異なる意見を尊重しあうことに力点を置きます。「論破」とはまったく違うスタイルです。

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2018年8月31日 (金)

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』を出版しました

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』が2018年8月31日、発売されました。この本は学術出版・勁草書房の編集部が運営する「けいそうビブリオフィル」で連載していたものを単行本化したものです。必要に応じて加筆修正を施し、新たに書き下ろした章も盛り込まれています。宣伝めいて恐縮ですが、構想10年、執筆2年余です。よろしくお願いします。

以下は、版元サイトに掲載されていた本のデータです。

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書 名: 『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』
著 者: 畑仲 哲雄
発 行: 勁草書房
判 型: A5判
頁 数: 256ページ
定 価:  2,300円+税
ISBN: 978-4-326-60307-7

■紹介
報道倫理のグレーゾーンに潜む20の難問。現場経験も豊富な研究者ならではの視点で再考する、ジャーナリズムの新しいケースブック。

■内容説明
ニュース報道やメディアに対する批判や不満は高まる一方。だが、議論の交通整理は十分ではない。「同僚が取材先でセクハラ被害に遭ったら」「被災地に殺到する取材陣を追い返すべきか」「被害者が匿名報道を望むとき」「取材謝礼を要求されたら」など、現実の取材現場で関係者を悩ませた難問を具体的なケースに沿って丁寧に検討する。

■章タイトル
第1章 人命と報道
第2章 報道による被害
第3章 取材相手との約束
第4章 ルールブックの限界と課題
第5章 取材者の立場と属性

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2018年8月25日 (土)

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』届きました

Dilemma20180825_1_2昨夜遅く『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』10冊が自宅に届きました(本屋さんに並ぶ前に著者に届けられるんです)。ブックデザインや色合いは書影(画像データ)の通りですが、256頁はそれなりの質感ですが、ソフトカバーのA5判なので、カバン内でも邪魔にならないでしょう。

勁草書房編集部サイトの連載記事の誤字脱字を修正し、必要に応じて加筆修正し、新しい記事も追記してあります。アマゾンなどのネット書店では予約注文を受付中です。どうぞよろしくお願いします。

畑仲哲雄『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』勁草書房, 256頁, 本体2300円, ISBN 978-4-326-60307-7

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2018年8月24日 (金)

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』の書影公開

20_moral_dilemmas版元の勁草書房サイトで、本のデザイン画像(書影)が公開されました。数日内にアマゾンや楽天などのネット書店にも登場すると思います。

羅針盤のNEWSの上で good bad right wrong の矢印が散らばっている絵柄は、本の中身をみごとに表してくれています。デザイナーさんありがとう。

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』 勁草書房, 256頁, 2300円, ISBN 978-4-326-60307-7

勁草書房のサイトではAmazon以外の書店がリンクされています。アンチAmazon派は版元サイトからごらんください。


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2018年8月 6日 (月)

報道倫理の新しいケースブック

2018年度後期から、別の教員が受け持っていた「メディアと倫理」という講義を担当することになりました。授業内容は、ジャーナリズムの現場で実際に起こった悩ましいできごとを、グループディスカッションを通じて考えていくというものです。前任の教員とさほど変わりはありません。ただし教科書を使います。

『ジャーナリズムの道徳的ジレンマ』 勁草書房, 256頁, 2300円, ISBN 978-4-326-60307-7
版元サイトではAmazon以外の書店がリンクされています。アンチAmazon派は版元サイトからごらんください。

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2018年5月 8日 (火)

後輩の女性記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら 連載「ジャーナリズムの道徳的ジレンマ」第20回

テレビ朝日の記者が財務次官からセクハラ行為に悩んでいた事例は、メディア関係者に波紋を広げています。オレがセクハラの加害者になるはずがない、と自信満々の人もいると思いますが、そんな人も「傍観者」と指摘される可能性があります。同僚や後輩がセクハラ被害者に遭ったことを知ったときのことをシミュレーションして考えたことがある人は、意外と少ないのではないでしょうか。

ハラスメントについての内規や相談窓口を完備しているメディア企業もあります。「わが社は専門家がいるので安心だ」という人もいるでしょう。でも、制度を作れば万事OKでしょうか。ルールブックは作る人や作られ方によっては妙なバイアスがかかるものですし、たえざる見直しが必要です。

〈CASE 20〉後輩の女性記者が取材先でセクハラ被害に遭ったら http://keisobiblio.com/2018/05/08/hatanaka20/

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2018年4月13日 (金)

同僚記者がセクハラ被害を受けたら

2018年4月12日、『週刊新潮』が財務省事務次官のセクハラを報じました。気になったので、わたしも新潮を買って、記事を読みました。

記事の中で発言を引用されていたのは次の6人。①大手紙記者、②テレビ局記者、③別のテレビ局記者、④別の大手紙記者、⑤テレビ局デスク、⑥財務省を担当する30歳のある女性記者。⑥は①~④と重複している可能性がありますし、取材協力者がほかにいるかもしれません。被害者は、大手紙や在京キー局の取材記者たちで、財務省担当者がターゲットになったことが分かります。

財務次官にセクハラ発言報道 | 2018/4/11(水) 17:43 - Yahoo!ニュース

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2018年3月12日 (月)

映画『否定と肯定』にみる大衆のメディア

ヘイトスピーチが飛び交う日本で、この映画が上映される意義は大きいと思います。ただ、メディアの観点から見ると、沈鬱な気持ちにならざるを得ません。なぜか。ホロコーストを否定する「歴史学者」は、自ら起こした裁判で敗れ、差別者の烙印を押されても、タブロイド紙やトーク番組が彼を声を取り上げ続けているからです。弁護士や学者は法廷で勝つことを優先しますが、大衆メディアにとって重要なのは「部数が稼げる」「視聴率が取れる」ことなのでしょう。ジャーナリストたちにはそういうところも意識して見てほしい作品です。

ミック・ジャクソン監督『否定と肯定』2016年イギリス・アメリカ合作、デボラ・リプシュタット原作

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2018年3月 9日 (金)

ジャーナリズムとアカデミズム、月刊Journalism連載第4回

2018年3月9日発売の『Journalism』に、連載の4本目「記者講座 ジャーナリズムとアカデミズム」が掲載されました。私は約25年の記者生活を経て大学教員に転職しました。大学院に入学したのはちょうど中間管理職にさしかかった42歳の春。そこで痛感したのは、ジャーナリズムとアカデミズムの住人が、なんだか仲の悪い双子のようだ、ということでした。

「記者講座 道徳的な難問を考える(4) ジャーナリズムとアカデミズム」『Journalism』 (334):2018.3

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